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【ゼロから始める】技術士試験に合格するまでのロードマップ【完全ガイド】

技術士試験に合格するまでのロードマップ 一次試験対策

記事内に広告が含まれる場合があります

  • 技術士になるまでの流れを知りたい
  • どうやって対策したら良いか分からない
  • 効率よく勉強を進めたい
  • 何度受験しても合格することが出来ない

技術士は科学技術系で最高峰の国家資格です。
技術士を取得するメリットも多く、技術者ならぜひとっておきたい国家資格です。

しかし、技術士試験は難易度も最難関クラスです。
やるべきことが多くあるので、受験者の方はどう勉強すればいいか分からなくなってしまうこともあるでしょう。

そこで、本記事では「技術士になりたい」と思ってから「技術士試験に合格するまで」の手順をロードマップ形式でまとめました。

私もこれから紹介する手順で技術士一次試験・二次試験ともに一発合格しました。

私が技術士試験に合格したのは平成30年度(一次試験)と令和元年度(二次試験)です。
比較的最近の実績ですので、現在でもこの手順は通用するはずです。

本記事を読むことで、迷うことなく対策に取り組むことが出来るはずです。
技術士試験は簡単な試験ではないので、この記事を技術士の道しるべとして活用してもらいたいと思います。

ポイント

関連記事を入れたら70,000文字を超える大ボリュームになりましたので、
ブックマークなどしてゆっくり読まれることをおすすめします。

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技術士試験の流れを確認する

まずは技術士になるまでの試験の流れを確認しましょう。
技術士になるまでの流れは以下の通りです。

技術士になるための試験の流れ

技術士になるためには3つの試験に合格しなければなりません。

  • 一次試験
  • 二次試験 筆記試験
  • 二次試験 口頭試験

それぞれの試験の概要を解説します。

一次試験

技術士一次試験は技術士になるための第一歩です。

技術士一次試験の合格率は約50%と難易度はそこまで高くありませんが、決して楽な試験ではありません。

概ね理系大学卒業と同程度の知識レベルが求められます。

しっかりと対策して臨みましょう。

出願時期 出願書類配布:6月中旬
出願書類受付:6月中旬~6月末
試験時期 11月末
合格発表 翌年2月下旬
受験資格 特になし
受験料 11,000円(非課税)
試験会場 北海道、宮城、東京、神奈川、 新潟、石川、愛知、大阪、 広島、香川、福岡、沖縄
試験内容 すべて5肢択一式(マークシート方式)
試験科目:基礎科目、適性科目、専門科目
免除条件 JABEE認定教育課程を修了している
技術士一次試験の概要一覧

なお、JABEEに認定された教育課程の修了者(分かりやすく言うと指定の大学と学部の卒業生)は、技術士一次試験をすべて免除されます。

技術士一次試験を受ける必要なく技術士二次試験を受験することが出来ます。
※規定の実務経験を積む必要はあります。

自分の卒業した大学・学部がJABEE認定されているかどうかはこちらから確認できますので、ぜひチェックしてみてください。
文部科学省「技術士法第三十一条の二第二項及び第三十二条第二項の規定に基づく教育課程及び対応する技術部門の指定について」

技術士一次試験の免除条件は他にもあります。
詳細はこちらの記事で解説していますので参考にしてください。
技術士一次試験が免除される条件とは?【JABEE認定者は一次試験免除されます】

二次試験 筆記試験

一次試験に合格し、必要な実務経験を満たしたら次は二次筆記試験です。

二次筆記試験は合格率10%程度と非常に難しい試験であり、技術士試験における最大の関門です。

理系大学卒業以上の専門知識があること(一次試験で見られる)は前提として、
・専門知識などを他者に理解させる文章が書けるコミュニケーション能力
・問題を把握しやるべきことを遂行できる問題解決能力
・リソースの配分が適切に出来るマネジメント能力
など、二次試験では技術士としてふさわしい能力が求められます。

技術士になるためにはこの二次筆記試験に合格する必要があります。

出願時期 出願書類配布:4月上旬
出願書類受付:4月上旬~4月中旬
試験時期 7月中旬
合格発表 11月上旬
受験資格 ①②を両方とも満たしていること
①技術士一次試験に合格している(もしくはJABEE認定教育課程を修了している)
②規定年数(4年超~7年超)の実務経験がある
受験料 14,000-(非課税)
試験会場 北海道、宮城、東京、神奈川、 新潟、石川、愛知、大阪、 広島、香川、福岡、沖縄
試験内容 すべて論文方式
・必須科目 問題1
・選択科目 問題2
・選択科目 問題3
技術士二次試験 筆記試験の概要一覧

二次試験 口頭試験

二次筆記試験に合格したら、最後に二次口頭試験です。

二次試験は筆記試験と口頭試験合わせてひとつの試験となっていますので、口頭試験が不合格だった場合は筆記試験からやり直しになります。

口頭試験の合格率は80~90%と高いですので一見簡単なように見えます。
しかし、その実態は合格率10%程度の二次筆記試験をくぐり抜けた猛者達でも10~20%は不合格になるという意外な難関所です。

油断せず確実に合格できるよう対策しましょう。

出願時期 なし(二次筆記試験と兼ねる)
試験時期 12月上旬~翌年1月中旬
合格発表 翌年3月中旬
受験料 なし(二次筆記試験と兼ねる)
試験会場 東京
試験内容 面接方式
技術士二次試験 口頭試験の概要一覧

二次口頭試験に合格出来れば、晴れて技術士となる資格が得られます。

A太郎
A太郎

なお、技術士と名乗るためには技術士会への登録作業が必要になるので注意してください。登録が完了するまでは技術士と名乗ってはいけませんよ

技術士一次試験に合格する

まずは最初の関門です。

一次試験は理工系大学卒業と同程度の知識があるかを問われる試験です。
勉強は必要ですが、大学の理工学部を卒業している方ならそこまで難しくはないはずです。

合格率は概ね40~50%で推移しており、半分くらいの受験生が合格できる割合になっています。

一次試験の合格率の推移はこちらの記事で詳しく解説しています。
技術士一次試験(技術士補)の合格率の推移一覧【部門別】

次に、技術士一次試験に合格するための手順を解説していきます。

STEP:1 まずは過去問を解いてみよう

まずは過去問を解いて、自分の力量を確認してみましょう。

日本技術士会のホームページで過去問が公開されていますので、直近年度の問題から解いてみてください。こちらのページから自分の部門を選択して参照してください。
⇒過去問題(一次試験)

過去問を解いたら答えあわせをしてみましょう。
正答率と合格可能性の目安としては以下になります。

正答率と合格できる可能性
  • 正答率80%以上
    安全圏です。
    このまま何年分か過去問を解いてみて、それでも80%程度の正答率なら問題はないでしょう。
  • 正答率50~70%
    このままでも合格する可能性はありますが、さらに盤石にするため対策しておきましょう。
  • 正答率40%以下
    要注意です。
    これから紹介する記事や参考書で勉強する必要があります。
A太郎
A太郎

ちなみに私は最初の頃は全科目40%以下でした

過去問を解くことで自分の得意科目や苦手科目が分かったと思います。
この結果を参考にして、全科目の正答率が60%以上(出来れば80%以上)になるように勉強していきましょう。

次のSTEPで基礎科目、適性科目、専門科目のそれぞれの勉強方法をまとめていますので、苦手分野を重点的に潰していってくださいね。

STEP:2 基礎科目を勉強しよう

基礎科目の過去問の正答率が低い場合には基礎科目を勉強しましょう。

基礎科目は理系大学卒業程度の知識の中でも『設計』『情報』『力学』など総合的な知識が必要になります。

独学で挑戦する人におすすめのサイト

基礎科目を解くために必要な知識は当サイトのこちらの記事でまとめているので参考にしてください。
⇒技術士一次試験 基礎科目対策【過去問解説付き】

あとはsukiyaki塾さんのサイトも分かりやすいです。
sukiyaki塾さんの基礎科目対策のページを読んで勉強すれば充分合格圏内にいけますよ。
Sukiyaki塾さんの基礎科目対策ページで一通り勉強したら、あとはひたすら繰り返し過去問を解いていけば大丈夫です。
⇒Sukiyaki塾さんの基礎科目対策ページはこちら

注意

参考書と異なり、無料で情報発信しているため情報の鮮度には限界があります。サイトに記載されている情報が最新版に対応していないケースも十分にありえます。技術士一次試験の合格基準は「合格率50%以上であること」なのでたとえ完璧でなくても合格することは十分可能ですが、情報が正しいか確認する作業も必要になるため参考書よりも勉強効率は落ちます。

効率よく勉強したいなら参考書がおすすめ

「万全を期したい」「もっと効率的に勉強したい」ということなら参考書を活用すると良いでしょう。

あなたにとって参考書が必要か必要でないかは以下を目安にしてください。

参考書がなくてもOKな人
  • 大学在学中、もしくは大学を卒業したばかりで勉強の感覚も残っている
  • 過去問を解いた結果、正答率が高かった
  • 他にいくつか資格試験を受けており、試験勉強が得意である
参考書があった方が良い人
  • 30代以上で、いわゆる試験勉強から離れて長い
  • 過去問を解いた結果、正答率が低かった
  • あまり資格を取得したことがなく、試験勉強が得意でない

参考書を買うなら技術士試験用の参考書を一冊購入するのがおすすめです。

大学などで使用する専門書籍も無駄とは言いませんが、技術士試験においてはかなり遠回りになります。
効率よく勉強するために参考書を購入するわけですから、最も勉強効率の良い参考書選びをしたいですね。

例えば、こちらの参考書は最新版に対応していて効率よく勉強できておすすめです。
また、基礎科目だけでなく適正科目も一冊でカバーできますのでコスパも良好です。

技術士一次試験用のおすすめ参考書についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
⇒【独学向け】技術士一次対策おすすめ参考書3選+α

また、受験部門が限られてしまうのですが、以下の部門を受験する方はSATの有料講座もおすすめです。

SAT有料講座の該当部門
  • 建設部門
  • 上下水道部門
  • 農業部門
  • 機械部門
  • 電気電子部門

テキストなどのいわゆる参考書に加えて、「全20時間以上の動画講義」と「メールによる質問制度」も付いてきます。

基礎科目・適正科目・専門科目と全てカバーしているので、それぞれの参考書を購入することと比べたら費用もそこまで高いものではありません。

当然、最新版に対応しているので品質もバッチリです。

部門が限られているのがネックですが、あなたの部門が上記5つのどれかならぜひおすすめしたい講座です。

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STEP:3 適性科目を勉強しよう

適正科目の過去問の正答率が低い場合には適正科目を勉強しましょう。

適性科目は技術士として活動する際に必要になる倫理観が試される科目です。

適性科目は結構常識感覚で解けたりします。
ということで、過去問を5~7年分程度解く程度の勉強で良いかと思います。

ただ、常識的な感覚というのも人により異なるでしょう。
人によっては「過去問だけで勉強しても80%以上正解できない」ということもあるかもしれません。

その場合には以下のような参考書を買って勉強する必要があります。

技術士一次試験の参考書は基礎科目と適性科目がセットで一冊になっているものが多いので、こういった参考書を一冊持っておくと適性科目だけでなく基礎科目もより盤石になります。

ちなみに、こちらの記事でも適性科目の勉強方法についてまとめています。
詳細はこちらの記事を参考にしてください
技術士一次試験対策 適性科目の勉強方法について解説します!

STEP:4 専門科目を勉強しよう

専門科目の過去問の正答率が低い場合には専門科目を勉強しましょう。

専門科目は専門的なな理系大学卒業程度の知識が必要になります。

専門科目については参考書がないと対策は難しいです。
例えsukiyaki塾さんでも、幅広い専門分野に対応することはできません。
ここは素直に自分の受験する部門の参考書を購入し、それで対策しておきましょう。

こちらの記事で専門科目の勉強方法をまとめていますので参考にしてください。
⇒技術士一次試験専門科目の勉強方法【全部門対応可能な手順を解説】

私は金属部門を受験しましたので、この参考書を購入して勉強しました。
これがないと多分合格は無理でしたね。ちなみに、こちらの参考書は二次試験にも対応しているので便利ですよ。

金属部門以外の部門で有名どころの参考書はこちらです。
いずれも一次試験に対応した参考書です。

STEP:5 過去問と参考書を繰り返し解こう

STEP2~4でひと通り勉強をしたら、あとはひたすら過去問と参考書を繰り返し解きましょう。

本番では過去問からそのまま流用されている問題も結構出題されます。
こういったサービス問題を確実に取れるよう、繰り返し過去問を解いていきましょう。

最終的に全ての科目で正答率が80%以上となれば安泰です。
⇒過去問題(一次試験)

正答率と合格できる可能性
  • 正答率80%以上
    安全圏です。
    このまま何年分か過去問を解いてみて、それでも80%程度の正答率なら問題はないでしょう。
  • 正答率50~70%
    このままでも合格する可能性はありますが、さらに盤石にするため対策しておきましょう。
  • 正答率40%以下
    要注意です。
    これから紹介する記事や参考書で勉強する必要があります。

STEP:6 いざ、本番

対策が完了すればあとは試験本番に挑むだけです。

技術士一次試験は例年11月末頃行われます。

当日は体調を整え、万全の状態で試験が受けられるようにしましょう。

A太郎
A太郎

風邪ひかないように注意してくださいね

当日の持ち物
  • 受験票
  • 筆記用具(鉛筆orシャープペン、消しゴム、鉛筆削り)
  • 電卓 ※関数電卓は不可、四則演算機能のみの電卓であること
  • 時計
  • 現金・交通系ICカード
  • 身分証明書
  • スマホ・携帯電話
  • マスク

技術士会から送付される受験票にも持ち物は記載されていますので、そちらも確認してみてください。

当日の持ち物の中でも電卓は注意です。
一次試験は計算問題があるので電卓が必須なのですが、関数電卓は持込不可です。
間違って関数電卓を持って行ってしまったら目も当てられません。
必ず四則演算のみの電卓を持って行ってください。

自分の持っている電卓が試験で使えるか不安だったら、こちらから購入しておけば確実です。
長年使っているなら電池切れや故障のリスクもあるので、必要経費として新品に買い替えておいた方が間違いはないでしょう。

段々肌寒くなっていく季節ですので、防寒対策のアイテムも持っていくと便利です。
近々一次試験の受験当日の体験記も記事にしようかと思いますので、楽しみにしてくださいね。

実務経験を積んで技術士二次試験の受験資格を得る

技術士一次試験に合格したら、実務経験を積んで二次試験の受験資格を満たせるようにしましょう。

技術士二次試験を受験するためには、実務経験について次のうちいずれかを満たす必要があります。

技術士二次試験の受験資格
  1. 技術士補に登録した後、指導技術士の下で4年を超える期間の実務経験を積む。
  2. 技術士補となる資格を得た後、職務上の監督者の指導の下で4年を超える期間の実務経験を積む。
  3. 7年を超える期間の実務経験を積む。※技術士一次試験に合格する前の実務経験もカウント可

先輩技術士や上司の指導が得られる場合は4年、特に何もない場合は7年の実務経験を積むと技術士二次試験の受験資格が得られます。

技術士二次試験を受験するのは30代以降の方が多いこともあり、ほとんどの受験生は「③7年を超える期間の実務経験を積む。」のパターンで受験しています。

なお、7年を超える実務経験が既にある方は技術士一次試験に合格した翌年に技術士二次試験を受験することも可能です。

詳細は技術士会ホームページのよくある質問を参照してください。
⇒日本技術士会「第二次試験のよくあるご質問」

ここで積んだ実務経験は口頭試験で問われることになります。
技術士二次試験を見据えながら、積極的に仕事に励むようにしていきましょう。

技術士二次試験の出願をする

一次試験に合格し、規定の実務経験を満たしたら二次試験に挑戦しましょう。

技術士二次試験で最初にやるべきことは出願書類の対策です。

「ただの願書でしょ?」と甘く見てはいけません。
なぜなら、二次試験の口頭試験では出願書類の経歴を参照しながら口頭試験が行われるからです。

例えば、出願書類を見ながら次のような質問がされます。

  • あなたの経歴の○○の業務では、どのように関係者とコミュニケーションを取りましたか?
  • あなたの経歴の中で一番リーダーシップを発揮できたと思うエピソードを教えてください。
  • あなたの経歴の△△の業務について、今はどのように評価していますか?

ここで出願書類を適当に書いてしまった場合、例えば技術士らしい業務ではなく雑務メインの業務ばかりを書いてしまった場合、リーダーシップを発揮できたとアピールすることは難しいでしょう。

逆に、口頭試験を見据えて技術士らしい業務を丁寧に書いておけば、技術士としての能力をアピールすることはたやすいです。

つまり、技術士試験においては出願書類の出来不出来で口頭試験を有利に戦えるかが決まってきます。

そのため、出願書類の対策はしっかりやっておく必要があります。

出願書類の内容が直接採点されるわけではありませんが、口頭試験で資料として使われますのでしっかりと対策しておきましょう。

STEP:1 自分の行ってきた業務を洗い出す

まずは自分がこれまでに行ってきた業務の洗い出しを行いましょう。

なぜなら、技術士二次試験の受験要件に「4~7年の実務経験があること」という項目があり、これを証明するために自分のこれまでに行ってきた業務を出願書類に記載する必要があるからです。

業務の洗い出しの手順は以下の通りです。

業務の洗い出しの手順
  1. これまでの自分の業務を振り返り、4~7年分の業務内容をとりあえず全て書き出す。
    (エクセルでも紙でもなんでもOK)
  2. 書き出した業務を見ながら「自分はどのような経験を積んできたのか」「自分が主体となって行った業務は何か」を検討する。

この段階ではざっくりとで構いません。最終的には
・自分が主体的に業務を行ったか
・どのような立場で業務を行ったか
・自分はその業務の出来栄えをどう評価したか
まで落とし込みますが、それは後ほど行います。

STEP:2 受験する部門を決める

業務の洗い出しができたら、洗い出した業務を参考にしながら受験する部門を決めましょう。

STEP1で業務の洗い出しをすることで、スムーズに受験する部門を決めることができるはずです。

一方、自分の行ってきた業務が複数の部門に関係していて、どの部門を受験したらよいか迷ってしまうこともあるでしょう。現在では科学技術の高度化に伴い業務も複雑化しているので、そのようなケースが生じるのは珍しいことではありません。

自分がどの部門で受験するべきか迷ってしまった時は「自分が仕事で活用しやすい部門はどれか?」という視点で部門を選ぶのがおすすめです。

あなたは難しい技術士試験に挑戦しようと思って本記事を読んでいるのだと思いますが、そんなあなたの最終目的はきっと「技術士を取得すること」ではなく「技術士の資格を活用して人生を豊かにすること」であると思います。

せっかく難しい技術士試験に挑戦するわけですから、もし合格できたらできるだけ資格をフル活用したいですよね。

ということで、「自分が活用しやすい部門はどれか」という視点で受験部門を選ぶのをおすすめします。

技術士試験における部門の選び方については以下の記事で詳しくまとめていますので、受験部門に迷ったら参考にしてみてください。
⇒技術士の部門一覧とベストな部門の選び方を解説!【部門選びに迷った方へ】

STEP:3 出願書類を作成する

いよいよ出願書類の作成に入ります。

技術士二次試験の出願書類の提出期間は例年4月上旬~4月中旬に一週間ほどで設定されます。

意外と出願期間は短いため、注意してください。
出願期間になってから対策を始めるのでは時間が足りません。

出願書類を適当に出してしまうと口頭試験はかなり厳しくなることが予想されます。
出願書類は出願期間の前からキッチリと対策を練って仕上げましょう。

出願書類は以下の2枚組です。
出願書類は画像左側の受験申込書と画像右側の実務経験証明書という構成になっています。

技術士二次試験の出願書類
  • 受験申込書:氏名、年齢、住所、卒業大学などを記入する
  • 実務経験証明書:これまでの業務経歴を数年分、更にそのうち一つの業務内容の詳細を記入する
受験申込書のサンプル
実務経験証明書のサンプル

受験申込書は特に意識することはありません。
普通に氏名・年齢・住所など、書くべきことを書くだけです。
強いてあげれば、誤記入に気を付けましょうというくらいです。

問題は実務経験証明書です。
こちらは「業務経歴」と「業務内容の詳細」を記入する必要がありますが、それぞれ作戦を練って書いていく必要があります。

実務経験証明書(業務経歴)を書くポイント

まずは「業務経歴」から解説します。

STEP1では自分のこれまでの業務を洗い出してもらいました。
洗い出した業務をもとに、口頭試験で回答しやすいように業務経歴を記載していきます。

業務経歴を書く時のポイントは以下の3つです。

業務経歴を書くポイント
  1. 受験する部門、選択科目に該当すると判断できる記載をすること
  2. 自分が主体的に担当した業務であること
    ※誰かの指示通りただ作業をしたというだけの単純な業務はNG
  3. 業務を通じて成長してきたことアピール出来るようにすること

この3つのポイントを意識しながら記入していってください。
詳細はこちらの記事で詳しく解説しています。
⇒【技術士】実務経験証明書(業務経歴の詳細)の書き方【サンプル有】

実務経験証明書(業務内容の詳細)を書くポイント

次に「業務内容の詳細」を解説します。

前項で記入した業務経歴の中からひとつを選び、業務内容の詳細を記入します。

論文形式で720文字を記入する必要がありますので、考えなしに記入しては口頭試験で厳しく追及されてしまいます。

以下のポイントを押さえて記入するようにしましょう。

業務内容の詳細を書くポイント
  1. 読みやすい構成を意識する
  2. 口頭試験の評価項目を意識する

この2つのポイントを意識しながら記入していってください。

業務経歴の詳細はこちらの記事で詳しく解説しています。
見本もあるので、興味があればぜひ参考にしてください。
⇒【技術士】実務経験証明書(業務経歴の詳細)の書き方【サンプル有】

技術士二次試験 筆記試験に合格する

技術士二次試験における最大の関門です。

二次試験の筆記試験の合格率はここ数年15%程度で推移しており、非常に難易度の高い試験となっています。
必然的に、筆記試験対策のボリュームが最も多くなります。

ここから紹介する勉強方法繰り返し読み込んで、しっかりと知識を自分のものにしてください。

なお、二次試験の合格率の推移はこちらでまとめていますので参考にしてください。
⇒技術士二次試験(技術士)の合格率の推移一覧【部門別】

STEP:1 論文の基本的な書き方を確認する

まずは論文の書き方を確認しましょう。

技術士二次試験の筆記試験は論述試験なので、論文の書き方を抑えておくことは必須です。

論文の書き方のポイントを以下にまとめます。
少し量が多いかもしれませんが、ひとつひとつは大したものではありません。

A太郎
A太郎

げっそりせず、確認してみてくださいね

技術士二次試験における論文の書き方ポイント
  1. 1文は簡潔に書く(目安は1文40~60文字以内)
  2. 体言止めは本文中には使わない
  3. 主語を明確にする
  4. 修飾語と被修飾語は近づける
  5. 語尾は変化させる、連続して同じ語尾を使わない
  6. 『句読点(、)(。)』『コンマ(,)ピリオド(.)』はどちらを使っても良いが混在しない

これらの「論文の書き方のポイント」は以下の記事で詳しくまとめています。
詳細はこちらの記事を参考にしてください。
⇒論文作成のコツ【基礎編】

STEP:2 過去問の模範解答例を見てみる

基本的な論文の書き方が確認できたら、次は過去問を見てみましょう。

過去問は技術士会のホームぺージで公開されています。
こちらから自分の受験部門の過去問を覗いてみてください。

いかがでしょうか?

「全然解ける気がしない」という感じではないですか?

正直今の段階では解けないと思います。

強引に解答論文を書いてみたとしても、
「試験時間内に書き終えれない」
「合格点がとれない」
というような結果となると思います。

そのため、このステップではまだ解答論文を作成しなくても構いません。

このステップで必要なのは模範解答例を見ることです。

可能なら以下のやり方などで自分の受験部門の模範解答例を入手してください。

模範解答例の入手先
  • 先輩技術士から過去の解答論文をもらう
  • sukiyaki塾で購入する
  • 模範解答が記載されている書籍を購入する

ただ、模範解答はなかなか入手するのが難しいと思います。

基本的に模範解答例は無料で簡単に手に入るようなものではありません。
例えば、新技術開発センターでは各部門の模範解答集が販売されていますが1冊5000円くらいします。
模範解答集でこの金額は高いハードルになるかと思います。

そこで、私が過去に合格した時の解答論文を無料公開しておきました。

部門は金属部門となりますが部門が違っても必要な考え方は同じですし、いずれもA判定の解答論文ですので十分参考になるかと思います。

また、模範解答だけでなく解説も付けておきましたので、ぜひ参考にしてみてください。

【模範解答例付き】技術士二次試験対策 筆記試験 問題Ⅰ(必須科目)
【模範解答例付き】技術士二次試験対策 筆記試験 問題Ⅱ-1(選択科目)
【模範解答例付き】技術士二次試験対策 筆記試験 問題Ⅱ-2(選択科目)
【模範解答例付き】技術士二次試験対策 筆記試験 問題Ⅲ(選択科目)

A太郎
A太郎

金額の高い模範解答集を買うのはもう少し後でも構いません

STEP:3 過去問を見て論文を書いてみる

いよいよ実際に解答論文を作っていきます。

自分が受験する部門の過去問を見て、実際に解答論文を作成してみましょう。

解答論文を書く際には以下の内容を意識してください。

技術士二次試験における論文の書き方ポイント
  1. 『設問』と『解答論文の見出し』を対応させる
  2. 見出しをアンダーラインで目立たせる
  3. 図表・箇条書きを使う
  4. 文字数のバランスを配慮する(特に3つ挙げよ系)
  5. 章ごとに1行開ける必要はない
  6. 単位はSI単位系が望ましい
  7. 構成を練ってから書き出す

より詳しい解説はこちら⇒論文作成のコツ【応用編】

A太郎
A太郎

はじめは時間がかかるかもしれませんが、とにかく1本論文を仕上げてみてください

なお、最初のうちはパソコンを使用してword等で解答論文を書くのをお勧めします。

最初は一発で解答論文を仕上げることはまず出来ないと思います。
論文を書いている途中で「やっぱりこの内容を入れた方が良いな」「この言い回しはよくないな」と修正したくなることがよくあるはずです。

解答論文を修正したくなった際、鉛筆で手書きするよりもパソコンのワードソフトを使用している方が修正も簡単で効率的です。

もちろん最終的には試験本番を想定して手書きで論文を書けるようになる必要がありますが、この段階ではパソコンを使用した方が効率が良くておすすめです。

STEP:4 解答論文の添削を受ける

解答論文を作成したら添削を受けましょう。

自分で書いた解答論文を自分で見直して合格レベルまでもっていくのは至難の業です。
添削なしで技術士二次試験に合格することは不可能とまでは言いませんが、独力で合格レベルに達するのは高いセンスと大きな労力が必要になります。

技術士試験の受験者は働きながら受験するという人がほとんどだと思います。
ただでさえ仕事で忙しい中、まとまった長い勉強時間を捻出するのはなかなか難しいでしょう。

技術士試験は最難関の国家資格試験ですから、ここは大人しく外部の添削を受けることをおすすめします。

添削は以下のような方法で添削を受けることが出来ます。

解答論文の添削を受ける方法
  • スタディングなどの有料講座
  • ココナラなどで添削を請け負っている技術士
  • 勤めている会社にいる先輩技術士
  • 卒業した大学の技術士会に所属している先輩技術士

なお、添削を受ける際は「技術士ではないが文章を書くのが上手い上司」や「技術士ではないが専門知識が豊富な技術者」ではなく「技術士」から添削を受けることをおすすめします。

技術士二次試験 筆記試験の解答論文は技術士に求められるコンピテンシー(資質能力)が読み取れる内容である必要があります。単純に「読みやすい文章か」「専門知識が間違っていないか」といった部分だけを添削してもらっても合格することはできません。
技術士試験に合格できる論文に仕上げることが出来るのは実際に試験に合格した技術士だけだと考えますので、技術士から添削を受けることをおすすめします。

STEP:5 自分の実力を合格レベルまで練り上げる

「STEP:3 解答論文の作成」と「STEP:4 添削を受ける」を繰り返して合格レベルの解答論文が作成出来るように自分を鍛え上げましょう。

正直なところ、ここが一番時間が掛かるメインのところです。
そして技術士試験を対策する上で一番重要なステップなのですが大きな難題があります。

それは添削をどうするか?ということです。

繰り返し添削を受ける際、協力してくれる先輩技術士が必要になります。
しかし、1回くらいは好意で協力してくれる人はいたとしても、何度も添削を受けるとなるとハードルが高くなるという方は多いのではないでしょうか。

会社や卒業した大学の先輩技術士も仕事や家庭で忙しいでしょうし、何度も添削をしてくれる人はなかなか見つからないでしょう。

私自身が皆さんの添削に協力出来れば良いのですが、現状は趣味で情報発信を行っている程度ですのでそれも時間的に現実的ではありません。

ということで、本サイトでは添削は有料講座に託すことにしました。

少し前までは10万円以上、数十万円というような講座が多かったですが、今では5~6万円程度で十分な添削が受けられる講座もあります。

ちゃんと講座を選べばそこまで高い費用でもないので、講座を受講して繰り返し添削してもらうようにしてください。

以下に私がおすすめする技術士二次試験講座を載せておきます。
どれも高いコスパを持つ講座ですので、あとは自分が何を重視するかで講座を選べばOKです。

他にも以下の記事で添削サービスに重きを置いた講座をまとめておきました。
どの講座を選べば良いか分からないという方は参考にしてみてください。
技術士通信講座おすすめ11社を徹底比較!ランキングも紹介!

STEP:6 いざ、本番

対策が完了すればあとは試験本番に挑むだけです。

技術士二次試験の筆記試験は例年7月中旬の三連休に実施されます。

当日は体調を整え、万全の状態で試験が受けられるようにしましょう。

当日の持ち物
  • 受験票
  • 筆記用具(鉛筆orシャープペン、消しゴム、鉛筆削り)
  • 電卓 ※関数電卓は不可、四則演算機能のみの電卓であること
  • 定規 ※透明かつ30cm以内であること
  • 時計
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技術士二次試験 口頭試験に合格する

技術士二次試験の口頭試験はいわゆる面接方式の試験です。

口頭試験は技術士試験における最後の関門です。
口頭試験に合格すれば、晴れて技術士になる資格が得られます。
※実際に技術士を名乗るためには登録作業が必要ですので注意してください。

口頭試験の合格率は80%程度と高い数値となっていますが、仮にここで落ちたらまた二次筆記試験からやり直しとなってしまいます。せっかく難易度の高い二次筆記試験に合格したのですから、なんとしても一発で口頭試験には合格したいものですね。

最後まで油断せず、対策を行いましょう。
⇒口頭試験の合格率の推移はこちら

STEP:1 口頭試験で評価される項目を確認しておこう

まずは口頭試験で何を評価されるのかを確認しておきましょう。

技術士試験では試験時に何を評価するのかが公表されています。
言ってみれば答えが公開されているようなものです。

口頭試験でどのように回答すれば良いのかが分かりますので、口頭試験で評価される項目は確認しておきましょう。
口頭試験で評価される項目は技術士二次試験受験申込案内に記載されています。

「口頭試験で評価される項目」は技術士二次試験受験申込案内で記載されていますが、これをそのまま読んでも中々理解しにくい部分があるかと思います。

そこで、当サイトでは口頭試験で評価される項目について分かりやすく解説をしています。
次の関連記事で詳細をまとめていますので、これを読んで確認するようにしてください。

併せて、口頭試験対策として確認したい「技術士の3義務2責務」の解説記事も一緒に置いておきますので、これらの記事を読んで口頭試験に必要な知識を確認するようにしましょう。

STEP:2 口頭試験本番に向けた対策をしよう

前提知識を確認したら、次は口頭試験本番に向けて具体的な対策を練っていきます。

審査官に対して良い印象を与えられるよう
好印象を与えられる面接のコツを抑えておくことはもちろん、
想定される質問に対する回答についてもしっかり答えられるよう対策しておきましょう。

口頭試験に向けて対策しておくべきことを以下にまとめました。

口頭試験に向けて対策しておくべきこと
  1. 好印象を与えられる『面接のコツ』を知る
  2. 『業務内容の詳細』を口頭で説明できるようにする
  3. 筆記試験に関する質問を想定しておく
  4. 想定問答集を作る

これらの詳細はこちらの記事で詳しく解説しています。
⇒技術士二次試験 口頭試験の対策まとめ「口頭試験本番に向けた対策をしよう」

想定問答集プレゼントのお知らせ】アンケートに答えて無料ダウンロード!

私が口頭試験を受ける際に実際に準備した想定問答集を配布します。
質問だけでなく回答も記載してありますので、さすがにそのまま流用するわけにはいかないですが参考になるかと思います。

注意事項!
・令和元年度の試験時に作成したものです。
・社外秘情報に該当する記載は削除しています。
・資料の転載、複製、改変等はご遠慮ください。
・アンケート4問にご回答いただける方に限ります。

無料ダウンロードはこちらから

STEP:3 実際に模擬面接を受けてみよう

口頭試験を受ける準備ができたら模擬面接を受けましょう。

「普段発表とかしているし、喋るのも得意だし大丈夫でしょ」と舐めていると痛い目をみます。
技術士試験の口頭試験は独特の雰囲気もあり、ぶっつけ本番で挑むのは危険です。

実際に人から質問されると頭の中が真っ白になるということはざらにあります。
これは場数を踏んで慣れるしかありませんので、模擬面接を受けるのは本当に重要です。

口頭試験で不合格になってしまうと、またあの難関の筆記試験からやり直しです。
なんとしても口頭試験に合格するためにも、模擬試験は受けておく必要があります。

模擬面接は以下の所で受けることができます。

  1. アガルートアカデミーなどの模擬口頭試験付きの技術士講座を受ける
  2. 自分の勤めている会社が技術士取得を支援しており模擬面接を行ってくれる
  3. 卒業した大学の技術士会が模擬面接を行ってくれる

1のケースは誰でも模擬面接を受けることが出来ます。
プロの講師が模擬面接を行ってくれるので、内容的にも安心感があります。
例えばアガルートアカデミーでは模擬面接付きのコースが標準で用意されているのでオススメですよ。

2のケースは企業内技術士会がある企業で行っている場合があるようです。
例えば日立製作所や東芝などは企業内技術士会があるので、先輩技術士が模擬面接を行ってくれる可能性があるでしょう。

3のケースは○○大学技術士会が卒業生向けに模擬面接を実施している場合があります。
私もこのケースで模擬面接を受けましたが、良い経験でした。

STEP:4 いざ、本番

対策が完了すればあとは試験本番に挑むだけです。

技術士二次試験の口頭試験は例年12月~翌年1月に実施されます。

当日は体調を整え、万全の状態で試験が受けられるようにしましょう。

まとめ

技術士試験に合格するために必要なことをロードマップとしてまとめました。

このロードマップと関連記事を読んで実践を繰り返せば、合格が見えてくるはずです。

但し、論文添削だけはサイトでの情報発信では対応できませんので、これについては講座を活用するようにお願いします。
以下の記事で各講座の添削サービスを重点的に比較していますので、参考にしてみてください。
⇒技術士二次試験対策講座おすすめランキング【徹底比較】

A太郎
A太郎

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