- 技術士になるまでの流れを知りたい
- どうやって勉強したら良いか分からない
- 忙しくて時間がないから効率よく勉強したい
- 何度受験しても合格することが出来ない
技術士は科学技術系で最高峰の国家資格です。
技術士になるとメリットも多く、技術者ならぜひとっておきたい国家資格です。
しかし、技術士試験は難易度も最難関クラスです。
やるべきことが多くあるので、何をすればいいか分からなくなってしまうこともあるでしょう。
そこで、本記事では「技術士になりたい」と思ってから「技術士試験に合格するまで」の手順をロードマップ形式でまとめました。
私もこれから紹介する手順で技術士一次試験・二次試験ともに一発合格しました。
私が技術士試験に合格したのは平成30年度(一次試験)と令和元年度(二次試験)です。
比較的最近の実績ですので、現在でもこの手順は通用するはずです。
この記事を読むことで、迷うことなく対策に取り組むことが出来るはずです。
技術士試験は簡単な試験ではないので、この記事を技術士合格への道しるべとして活用してもらいたいと思います。
関連記事を入れたら70,000文字を超える大ボリュームになりましたので、
ブックマークなどしてゆっくり読まれることをおすすめします。
「そもそも技術士ってなに?技術士取ってメリットあるの?」という方はこちら
⇒技術士とは?どのような資格か解説!【技術系最難関の国家資格】
技術士試験の流れを確認する

まずは技術士になるまでの試験の流れを確認しましょう。
技術士になるまでの流れは以下の通りです。

このように、技術士になるためには以下の3つの試験をクリアしなければなりません。
- 一次試験
- 二次筆記試験
- 二次口頭試験
それぞれの試験の概要を解説します。
一次試験の概要
一次試験は技術士になるための第一歩です。
合格率50%程度と難易度はそこまで高くありません。
かといって、決して楽な試験でもありません。
しっかりと対策して臨みましょう。
出願時期 | 6月中旬~6月末 |
試験時期 | 11月末 |
合格発表時期 | 2月下旬 |
受験資格 | 特になし |
受験料 | 11,000-(非課税) |
試験会場 | 北海道、宮城県、東京都、神奈川県、 新潟県、石川県、愛知県、大阪府、 広島県、香川県、福岡県、沖縄県 |
試験内容 | すべて5肢択一式(マークシート方式) ・基礎科目 ・適性科目 ・専門科目 |
一次試験の免除条件 | JABEE認定教育課程を修了している |
※2020年のコロナ禍以降、試験の実施時期や合格発表の時期にズレが生じています。
正確な時期は日本技術士会のホームページにてご確認ください。
※2020年のコロナ禍以降、試験の実施時期や合格発表の時期にズレが生じています。
正確な時期は日本技術士会のホームページにてご確認ください。
二次筆記試験の概要
一次試験に合格し、必要な実務経験を満たしたら次は二次筆記試験です。
二次筆記試験は合格率10%程度と非常に難しい試験であり、技術士試験における最大の関門です。
技術士になるためにはこの二次筆記試験に合格する必要があります。
出願時期 | 4月上旬~4月中旬 |
試験時期 | 7月中旬 |
合格発表時期 | 11月上旬 |
受験資格 | ①②を両方とも満たしていること ①技術士一次試験に合格している (もしくはJABEE認定教育課程を修了している) ②規定(4~7年以上)の実務経験がある |
受験料 | 14,000-(非課税) |
試験会場 | 北海道、宮城県、東京都、神奈川県、 新潟県、石川県、愛知県、大阪府、 広島県、香川県、福岡県、沖縄県 |
試験内容 | すべて論文方式 ・必須科目 問題1 ・選択科目 問題2 ・選択科目 問題3 |
※2020年のコロナ禍以降、試験の実施時期や合格発表の時期にズレが生じています。
正確な時期は日本技術士会のホームページにてご確認ください。
※2020年のコロナ禍以降、試験の実施時期や合格発表の時期にズレが生じています。
正確な時期は日本技術士会のホームページにてご確認ください。
二次口頭試験の概要
二次筆記試験に合格したら、最後に二次口頭試験です。
二次試験は筆記試験と口頭試験合わせてひとつの試験となっていますので、口頭試験で不合格だった場合は筆記試験からやり直しになります。
合格率は80~90%と高いですが、油断せず確実に合格できるようにしましょう。
二次口頭試験に合格出来れば、晴れて技術士となる資格が得られます。
※技術士と名乗るためには登録作業が必要になるので注意してください。
登録が完了するまでは技術士と名乗ってはいけませんよ。
出願時期 | なし(二次筆記試験と兼ねる) |
試験時期 | 12月上旬~翌年1月中旬 |
合格発表時期 | 翌年3月中旬 |
受験料 | なし(二次筆記試験と兼ねる) |
試験会場 | 東京都 |
試験内容 | 面接方式 |
※2020年のコロナ禍以降、試験の実施時期や合格発表の時期にズレが生じています。
正確な時期は日本技術士会のホームページにてご確認ください。
※2020年のコロナ禍以降、試験の実施時期や合格発表の時期にズレが生じています。
正確な時期は日本技術士会のホームページにてご確認ください。
一次試験に合格する

まずは最初の関門です。
一次試験は概ね理工系大学卒業と同程度の知識があるかを問われる試験です。
勉強は必要ですが、大学の理工学部を卒業している方ならそこまで難しくはないはずです。
合格率は概ね40~50%で推移しており、半分くらいの受験生が合格できる割合になっています。

一次試験の合格率の推移はこちらの記事で詳しく解説しています。
⇒技術士一次試験(技術士補)の合格率の推移一覧【部門別】
STEP:1 まずは過去問を解いてみよう
まずは過去問を解いて、自分の力量を確認してみましょう。
日本技術士会のホームページで過去問が公開されていますので、直近年度の問題から解いてみてください。こちらのページから自分の部門を選択して参照してください。
⇒過去問題(一次試験)
過去問を解いたら答えあわせをしてみましょう。
正答率と合格可能性の目安としては以下になります。
- 正答率80%以上
安全圏です。
このまま何年分か過去問を解いてみて、それでも80%程度の正答率なら問題はないでしょう。 - 正答率50~70%
このままでも合格出来ると思いますが、さらに盤石にするため確認程度にでも勉強しておきましょう。 - 正答率40%以下
要注意です。
これから紹介する記事や参考書で勉強する必要があります。

ちなみに私は最初の頃は全科目40%以下でした
過去問を解くことで自分の得意科目や苦手科目が分かったと思います。
この結果を参考にして、全科目の正答率が60%以上(出来れば80%以上)になるように勉強していきましょう。
次のSTEPで基礎科目、適性科目、専門科目のそれぞれの勉強方法をまとめていますので、苦手分野を重点的に潰していってくださいね。
STEP:2 基礎科目を勉強しよう
基礎科目が苦手な方は基礎科目を勉強しましょう。
基礎科目は総合的な理系大学卒業程度の知識が必要になります。
当サイトのこちらの記事で基礎科目を解くのに必要な知識をまとめているので参考にしてください。
⇒技術士一次試験 基礎科目対策【過去問解説付き】
あとはなんと言ってもsukiyaki塾さんのサイトが分かりやすいです。
sukiyaki塾さんの基礎科目対策のページを読んで勉強すれば、充分合格圏内にいけますよ。Sukiyaki塾さんの基礎科目対策ページで一通り勉強したら、あとはひたすら繰り返し過去問を解いていけば大丈夫です。
⇒Sukiyaki塾さんの基礎科目対策ページはこちら
一方、sukiyaki塾さんはあくまでもボランタリーなサイトなため、情報が十分でない、わかりにくいという場合もありますので注意してください。
こちらのようなケースですね。
⇒sukiyaki塾さんの掲示板でのやり取り
これだけのサイト運営をボランティアでやっているという時点ですごいことなのですが、やはり収益を目的としていない以上情報の更新には限界があります。
技術士一次試験の合格基準は「合格率50%以上であること」なので、たとえ完璧でなくても合格することは可能です。
sukiyaki塾さんの情報で充分まかなえると思いますが、正直なところ人によります。
「万全を期したい」「もっと効率的に勉強したい」ということなら参考書を活用すると良いでしょう。
参考書が必要か必要でないかは以下を目安にしてください。
・20代で、大学の頃に勉強していた感覚もまだ残っている方
・過去問を解いてみて正答率も高く、試験に自信がある方
⇒参考書はなしでもOK
・30代以上で、もう試験勉強から離れて長い方
・過去問を解いてみて正答率が低い方
⇒参考書はあった方が良い
参考書を買うならこちらの本がおすすめです。
この参考書なら基礎科目だけでなく適正科目もカバーしていますのでコスパも良いです。
このほか、技術士一次試験用のおすすめ参考書についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
⇒【独学向け】技術士一次対策おすすめ参考書3選+α
STEP:3 適性科目を勉強しよう
適性科目が苦手な方は適正科目を勉強しましょう。
適性科目は技術士として活動する際に必要になる倫理観が試されます。
適性科目は結構常識感覚で解けたりします。
ということで、過去問を5~7年分程度解く程度の勉強で良いかと思います。
ただ、常識的な感覚というのも人により異なるでしょう。
人によっては「過去問だけで勉強しても80%以上正解できない」ということもあるかもしれません。
その場合には以下のような参考書を買って勉強する必要があります。
技術士一次試験の参考書は基礎科目と適性科目がセットで一冊になっているものが多いので、こういった参考書を一冊持っておくと適性科目だけでなく基礎科目もより盤石になります。
ちなみに、こちらの記事でも適性科目の勉強方法についてまとめています。
詳細はこちらの記事を参考にしてください
技術士一次試験対策 適性科目の勉強方法について解説します!
STEP:4 専門科目を勉強しよう
専門科目が苦手な方は専門科目を勉強しましょう。
専門科目は専門的なな理系大学卒業程度の知識が必要になります。
専門科目については参考書がないと対策は難しいです。
例えsukiyaki塾さんでも、幅広い専門分野に対応することはできません。
ここは素直に自分の受験する部門の参考書を購入し、それで対策しておきましょう。
こちらの記事で専門科目の勉強方法をまとめていますので参考にしてください。
⇒技術士一次試験専門科目の勉強方法【全部門対応可能な手順を解説】
私は金属部門を受験しましたので、この参考書を購入して勉強しました。
これがないと多分合格は無理でしたね。ちなみに、こちらの参考書は二次試験にも対応しているので便利ですよ。
金属部門以外の部門で有名どころの参考書はこちらです。
いずれも一次試験に対応した参考書ですよ。
STEP:5 過去問と参考書を繰り返し解こう
STEP2~4でひと通り勉強をしたら、あとはひたすら過去問と参考書を繰り返し解きましょう。
本番では過去問からそのまま流用されている問題も結構出題されます。
こういったサービス問題を確実に取れるよう、繰り返し過去問を解いていきましょう。
最終的に全ての科目で正答率が80%以上となれば安泰です。
⇒過去問題(一次試験)
- 正答率80%以上
安全圏です。
このまま何年分か過去問を解いてみて、それでも80%程度の正答率なら問題はないでしょう。 - 正答率50~70%
このままでも合格出来ると思いますが、さらに盤石にするため確認程度にでも勉強しておきましょう。 - 正答率40%以下
要注意です。
これから紹介する記事や参考書で勉強する必要があります。
STEP:6 いざ、本番
対策が完了すればあとは試験本番に挑むだけです。
当日は体調を整え、万全の状態で試験が受けられるようにしましょう。
試験は例年11月末頃行われます。

風邪ひかないように注意してくださいね
- 受験票
- 筆記用具(鉛筆orシャープペン、消しゴム、鉛筆削り)
- 電卓 ※関数電卓は不可、四則演算機能のみの電卓であること
- 時計
- 現金・交通系ICカード
- 身分証明書
- スマホ・携帯電話
- 薬
- マスク
技術士会から送付される受験票にも持ち物は記載されていますので、そちらも確認してみてください。
当日の持ち物の中でも電卓は注意です。
一次試験は計算問題があるので電卓が必須なのですが、関数電卓は持込不可です。
間違って関数電卓を持って行ってしまったら目も当てられません。
必ず四則演算のみの電卓を持って行ってください。
自分の持っている電卓が試験で使えるか不安だったら、こちらから購入しておけば確実です。
長年使っているなら電池切れや故障のリスクもあるので、必要経費として新品に買い替えておいた方が間違いはないでしょう。
段々肌寒くなっていく季節ですので、防寒対策のアイテムも持っていくと便利です。
近々一次試験の受験当日の体験記も記事にしようかと思いますので、楽しみにしてくださいね。
実務経験を積んで受験資格を得る

技術士一次試験に合格したら、実務経験を積んで二次試験の受験資格が得られるようにしましょう。
技術士二次試験を受験するためには、実務経験について次のうちいずれかを満たす必要があります。
- 技術士補に登録した後、
指導技術士の下で4年を超える期間の実務経験を積む。 - 技術士補となる資格を得た後、
職務上の監督者の指導の下で4年を超える期間の実務経験を積む。 - 7年を超える期間の実務経験を積む。
※技術士一次試験に合格する前の実務経験もカウント可
先輩技術士や上司の指導が得られる場合は4年、特に何もない場合は7年の実務経験を積むと技術士二次試験の受験資格が得られます。
技術士二次試験を受験するのは30代以降の方が多いこともあり、ほとんどの受験生は「③7年を超える期間の実務経験を積む。」のパターンで受験しているようです。
7年を超える実務経験がある方は、技術士一次試験に合格した翌年に技術士二次試験を受験することも可能です。
詳細は技術士会ホームページのよくある質問を参照してください。
⇒日本技術士会「第二次試験のよくあるご質問」
ここで積んだ実務経験は口頭試験で問われることになるので、積極的に仕事に励むようにしていきましょう。
二次試験の出願をする

一次試験に合格し、規定の実務経験を満たしたら二次試験に挑戦しましょう。
二次試験で最初にやるべきことは出願書類の対策です。

意外かもしれませんが、「ただの願書でしょ?」と甘く見てはいけません
なぜなら、二次口頭試験では出願書類の経歴を見て試験が行われるからです。
例えば、出願書類を見ながら次のような質問がされます。
- あなたの経歴の○○の業務では、どのように関係者とコミュニケーションを取りましたか?
- あなたの経歴の中で一番リーダーシップを発揮できたと思うエピソードを教えてください。
- あなたの経歴の△△の業務について、今はどのように評価していますか?
出願書類を適当に書いてしまった場合、二次口頭試験は厳しい戦いになってしまいます。
そのため、出願書類の対策はしっかりとやっておく必要があります。
出願書類の内容が直接採点されるわけではありませんが、口頭試験で資料として使われますのでしっかりと対策しておきましょう。
STEP:1 自分の行ってきた業務を洗い出す
まずは自分がこれまでに行ってきた業務の洗い出しを行いましょう。
なぜなら、技術士試験の受験要件に「4~7年の実務経験があること」があり、これを証明するために自分のこれまでに行ってきた業務を出願書類に記載する必要があるからです。
- これまでの自分の業務を振り返り、4~7年分の業務内容をとりあえず書き出す。
(エクセルでも紙でもなんでもOK) - 書き出した業務を見ながら、自分はどのような経験を積んできたのか、自分はどの業務を主体的に行ったのかを検討する。
この段階ではざっくりとで構いません。
最終的には
「自分が主体的に業務を行ったか」
「どのような立場で業務を行ったか」
「自分はその業務の出来栄えをどう評価したか」
まで落とし込みますが、それは後ほど行います。
STEP:2 受験する部門を決める
業務の洗い出しができたら、洗い出した業務を参考にしながら受験する部門を決めましょう。
STEP1で業務の洗い出しをすることで、スムーズに受験する部門を決めることができるはずです。
一方、自分の行ってきた業務が複数の部門に関係していて、どの部門を受験したらよいか迷ってしまうこともあるでしょう。現在では科学技術の高度化に伴い業務も複雑化しているので、そのようなケースが生じるのは珍しいことではありません。
自分がどの部門を受験するべきか迷ってしまった時は、
「どの部門が自分にとって必要か」という視点で部門を選ぶのがおすすめです。
この点については以下の記事で詳しくまとめていますので、受験部門に迷ったら参考にしてみてください。
⇒技術士の部門一覧とベストな部門の選び方を解説!【部門選びに迷った方へ】
STEP:3 出願書類を作成する
いよいよ出願書類の作成に入ります。
出願期間は例年4月上旬~4月中旬に設定されます。
意外と出願期間は短いため、注意してください。
「出願期間になってから対策しよ」と思っていたら、正直対策の時間としては足りません。
出願書類を適当に出してしまうと口頭試験はかなり厳しい戦いが予想されます。
出願書類は出願期間の前からキッチリと対策を練って仕上げましょう。
出願書類は以下の2枚組です。
出願書類は画像左側の受験申込書と画像右側の実務経験証明書という構成になっています。


このうち受験申込書は特に意識することはありません。
普通に氏名・年齢・住所など、書くべきことを書くだけです。
強いてあげれば、ご記入に気を付けましょうというくらいです。
問題は実務経験証明書です。
こちらは「業務経歴」と「業務内容の詳細」を記入する必要がありますが、それぞれ作戦を練って書いていく必要があります。
実務経験証明書(業務経歴)を書くポイント
まずは「業務経歴」から解説します。
STEP1では自分のこれまでの業務を洗い出してもらいました。
洗い出した業務をもとに、口頭試験で回答しやすいように業務経歴を記載していきます。
業務経歴を書く時のポイントは以下の3つです。
- 受験する部門、選択科目に該当すると判断できる記載をすること
- 自分が主体的に担当した業務であること
※ただ作業をしたというだけの業務はNG - 業務を通じて成長してきたことアピール出来るようにすること
この3つのポイントを意識しながら記入していってください。
詳細はこちらの記事で詳しく解説しています。
⇒【技術士】実務経験証明書(業務経歴の詳細)の書き方【サンプル有】
実務経験証明書(業務内容の詳細)を書くポイント
次に「業務内容の詳細」を解説します。
前項で記入した業務経歴の中からひとつを選び、業務内容の詳細を記入します。
論文形式で720文字を記入する必要がありますので、考えなしに記入しては口頭試験で厳しく追及されてしまいます。
以下のポイントを押さえて記入するようにしましょう。
- 読みやすい構成を意識する
- 口頭試験の評価項目を意識する
この2つのポイントを意識しながら記入していってください。
業務経歴の詳細はこちらの記事で詳しく解説しています。
見本もあるので、興味があればぜひ参考にしてください。
⇒【技術士】実務経験証明書(業務経歴の詳細)の書き方【サンプル有】
二次筆記試験に合格する

技術士二次試験における最大の関門です。
二次試験の筆記試験の合格率はここ数年15%程度で推移しており、非常に難易度の高い試験となっています。
必然的に、筆記試験対策のボリュームが最も多くなっています。
ここから紹介する勉強方法繰り返し読み込んで、しっかりと知識を自分のものにしてください。
なお、二次試験の合格率の推移はこちらでまとめています。
口頭試験も含めての合格率ですが、参考になるかと思います。
⇒技術士二次試験(技術士)の合格率の推移一覧【部門別】
STEP:1 まずは基本的な論文の書き方を確認する
まずは基本的な論文の書き方を確認しておきましょう。
筆記試験は論述試験となっており、論文の書き方を抑えておくことは必須です。
論文の書き方のポイントを以下にまとめます。
少し量が多いかもしれませんが、ひとつひとつは大したものではありません。

げっそりせず、確認してみてくださいね
- 1文は簡潔に書く(目安は1文40~60文字以内)
- 体言止めは本文中には使わない
- 主語を明確にする
- 修飾語と被修飾語は近づける
- 語尾は変化させる、連続して同じ語尾を使わない
- 『句読点(、)(。)』『コンマ(,)ピリオド(.)』はどちらを使っても良いが混在しない
- 『設問』と『解答論文の見出し』を対応させる
- 見出しをアンダーラインで目立たせる
- 図表・箇条書きを使う
- 文字数のバランスを配慮する(特に3つ挙げよ系)
- 章ごとに1行開ける必要はない
- 単位はSI単位系が望ましい
- 構成を練ってから書き出す
これらの「論文の書き方のポイント」は以下の記事で詳しくまとめています。
詳細はこちらの記事を参考にしてください。
⇒論文作成のコツ【基礎編】
⇒論文作成のコツ【応用編】
STEP:2 過去問の解答例を見てみる
基本的な論文の書き方が確認できたら、次は過去問を少し見てみましょう。
過去問は技術士会のホームぺージで公開されています。
こちらから自分の受験部門の過去問を覗いてみてください。

まだ過去問を解くところまではしなくて良いですよ
いかがでしょうか?
「全然解ける気がしない」という感じではないですか?
正直今の段階では解けないと思います。
強引に解答論文を書いてみたとしても、
「試験時間内に書き終えれない」
「合格点がとれない」
というような結果となると思います。
そのため、このステップではまだ解答論文を作成しなくても構いません。
このステップで必要なのは模範解答例を見ることです。
可能なら、以下の手順で自分の受験部門の模範解答例を入手してください。
- 先輩技術士から過去の解答論文をもらう
- sukiyaki塾で購入する
- 模範解答が記載されている書籍を購入する
なかなか模範解答例を入手するのが難しいという方もいるかと思います。
そこで、私も過去に合格した時の解答論文を無料公開しておきました。
部門は金属部門となりますが、部門が違っても必要な考え方は同じなので参考にしてみてください。
いずれもA判定の解答論文ですので、方向性は見えてくるかと思います。
【模範解答例付き】技術士二次試験対策 筆記試験 問題Ⅰ(必須科目)
【模範解答例付き】技術士二次試験対策 筆記試験 問題Ⅱ-1(選択科目)
【模範解答例付き】技術士二次試験対策 筆記試験 問題Ⅱ-2(選択科目)
【模範解答例付き】技術士二次試験対策 筆記試験 問題Ⅲ(選択科目)

模範解答を見て、解答論文のイメージを固めてください
STEP:3 合格点が取れる解答論文を書けるようになろう

いよいよ実際に解答論文を作っていきます。
「解答論文を作成」⇒「添削」⇒「修正して作成」⇒「添削」と繰り返すことで、
合格レベルの解答論文が作成出来るように自分を鍛え上げます。
正直なところ、ここが一番時間が掛かるメインのところです。
そして技術士試験を対策する上で一番重要なステップなのですが大きな難題があります。
それは添削をどうするか?ということです。
情報収集して解答論文を作成することは自分で出来ます。しかし、
解答論文が合格点に達しているか?
どのように修正すれば良いか?
これらは自分では判断できない部分です。

解答論文の添削は超重要です

超重要なのにそれが自分では出来ないわけ?

よほどのセンスがなければ自分での添削は難しいでしょう
本サイトで試験対策情報を発信していますが、添削の方法だけはどうにも対応出来ません。
私自身が皆さんの添削に協力出来れば良いのですが、現状は趣味で情報発信を行っている程度ですのでそれも時間的に現実的ではありません。
ということで、本サイトでは添削は有料講座に託すことにしました。
少し前までは10万円以上、数十万円というような講座が多かったですが、
今では5~6万円程度で十分な添削が受けられる講座も出てきています。
ちゃんと講座を選べばそこまで高い費用でもないので、講座を受講して添削してもらうようにしてください。
以下の記事で添削サービスに重きを置いた講座をまとめておきました。
どの講座を選べば良いか分からないという方は参考にしてみてください。
技術士二次試験対策講座おすすめランキングTOP6【徹底比較】

迷ったらスタディングかアガルートアカデミー
を選んでおけば大丈夫です
添削してもらえる先輩技術士がいる方はそれでも良いと思います。
例えば、「日立製作所」や「ソニー」のような企業内技術士会を組織している企業に勤めている方は簡単でしょう。
正式に企業から支援が受けられますので、論文の添削は充分受けられると思います。
有料講座を受けなくても、独学で合格することは充分狙えます。
あるいは、大学OBの技術士で組織している「○○大学技術士会」があるような大学卒の方は
つてを伝って技術士の協力が得られるかもしれません。
逆に言えば、独学で合格できる方というのは
「添削してもらえる協力者がいる」
という条件を満たしている方ですね。

私も卒業した大学の技術士会のお世話になりました
STEP:4 いざ、本番
対策が完了すればあとは試験本番に挑むだけです。
当日は体調を整え、万全の状態で試験が受けられるようにしましょう。
二次筆記試験は例年7月中旬に実施されます。
- 受験票
- 筆記用具(鉛筆orシャープペン、消しゴム、鉛筆削り)
- 電卓 ※関数電卓は不可、四則演算機能のみの電卓であること
- 定規 ※透明かつ30cm以内であること
- 時計
- 現金・交通系ICカード
- 身分証明書
- スマホ・携帯電話
- 薬
- マスク
二次口頭試験に合格する

二次口頭試験はいわゆる面接による試験です。
技術士試験における最後の関門です。
二次口頭試験に合格すれば、晴れて技術士になる資格が得られます。
※実際に技術士を名乗るためには登録作業が必要です。
二次口頭試験の合格率は80%程度と高い数値となっていますが、仮にここで落ちたらまた二次筆記試験からやり直しとなってしまいます。せっかく難易度の高い二次筆記試験に合格したのですから、なんとしても一発で口頭試験には合格したいものですね。
最後まで油断せず、対策を行いましょう。
⇒口頭試験の合格率の推移はこちら
STEP:1 口頭試験で評価される項目を確認しておこう
まずは口頭試験で何を評価されるのかを確認しておきましょう。
技術士試験では何を評価するのかが公表されています。
言ってみれば答えが公開されているようなものです。
口頭試験でどのように回答すれば良いのかが分かりますので、口頭試験で評価される項目は確認しておきましょう。
口頭試験で評価される項目は技術士二次試験受験申込案内に記載されています。
⇒技術士二次試験受験申込案内【令和4年度版】
「口頭試験で評価される項目」は技術士二次試験受験申込案内で記載されていますが、これをそのまま読んでも中々理解しにくい部分があるかと思います。
そこで、当サイトでは口頭試験で評価される項目について分かりやすく解説をしています。
次の関連記事で詳細をまとめていますので、これを読んで確認するようにしてください。
併せて、口頭試験対策として確認したい「技術士の3義務2責務」の解説記事も一緒に置いておきますので、これらの記事を読んで口頭試験に必要な知識を確認するようにしましょう。
STEP:2 口頭試験本番に向けた対策をしよう
前提知識を確認したら、次は口頭試験本番に向けて具体的な対策を練っていきます。
審査官に対して良い印象を与えられるよう
好印象を与えられる面接のコツを抑えておくことはもちろん、
想定される質問に対する回答についてもしっかり答えられるよう対策しておきましょう。
口頭試験に向けて対策しておくべきことを以下にまとめました。
- 好印象を与えられる『面接のコツ』を知る
- 『業務内容の詳細』を口頭で説明できるようにする
- 筆記試験に関する質問を想定しておく
- 想定問答集を作る
これらの詳細はこちらの記事で詳しく解説しています。
⇒技術士二次試験 口頭試験の対策まとめ「口頭試験本番に向けた対策をしよう」
STEP:3 実際に模擬面接を受けてみよう
準備が出来たら模擬面接も受けておきましょう。
「普段発表とかしているし、喋るのも得意だし大丈夫でしょ」と舐めていると痛い目をみます。
技術士試験の口頭試験は独特の雰囲気もあり、ぶっつけ本番で挑むのは無謀です。
実際に人から質問されると頭の中が真っ白になるということはざらにあります。
これは場数を踏んで慣れるしかありませんので、模擬面接を受けるのは本当に重要です。
口頭試験で不合格になってしまうと、またあの難関の筆記試験からやり直しです。
なんとしても口頭試験に合格するためにも、模擬試験は受けておく必要があります。
模擬面接は以下の場所で受けることができます。
- 自分の勤めている会社が技術士取得を支援しており、模擬面接を行ってくれるケース
- 卒業した大学の技術士会が、模擬面接を行ってくれるケース
- 有料の技術士講座を受講したケース
1のケースは企業内技術士会がある企業で行っている場合があるようです。
例えば日立製作所や東芝などは企業内技術士会があるので、先輩技術士が模擬面接を行ってくれる可能性があるでしょう。
2のケースは○○大学技術士会が卒業生向けに模擬面接を実施している場合があります。
私もこのケースで模擬面接を受けましたが、良い経験でした。
3のケースは誰でも模擬面接を受けることが出来ます。
プロの講師が模擬面接を行ってくれるので、内容的にも安心感があります。
例えばアガルートアカデミーでは模擬面接だけのコースも用意されているのでオススメですよ。
STEP:4 いざ、本番
対策が済めば、あとは当日を待つだけです。
全力が出せるようにコンディションを万全にしておきましょう。
口頭試験については以下の記事で対策方法をまとめています。
まとめ
技術士試験に合格するために必要なことをロードマップとしてまとめました。
このロードマップと関連記事を読んで実践を繰り返せば、合格が見えてくるはずです。
但し、論文添削だけはサイトでの情報発信では対応できませんので、これについては講座を活用するようにお願いします。
以下の記事で各講座の添削サービスを重点的に比較していますので、参考にしてみてください。
⇒技術士二次試験対策講座おすすめランキング【徹底比較】

技術士試験の受験を頑張ってくださいね
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