技術士を取得するメリットとデメリット【体験談あり】

技術士全般
 
 

 

技術士は技術系で最高峰の国家資格とされています。
そのため技術士を取得する難易度は非常に高いのですが、技術士を取得すると様々なメリットを得ることが出来ます。

しかし、技術士は知名度の低い資格ですから、技術士を取得するメリット・デメリットが世間には充分広まっていないと思います。
そもそも技術系でない人なら「技術士ってなに?」と思うでしょうし、
技術士を知っている人でも「技術士を取得するメリットってなに?」と思う人は大勢いるでしょう。
そこで、本記事では技術士を取得するメリットとデメリットをまとめて解説します。
私が実際に技術士となって体験したメリット・デメリットも併せて紹介しますね。

ぜひ参考にしてみてください。

記事を読んでほしい人
  • 技術士を取得するメリット・デメリットを知りたい人
  • 技術者としてキャリアアップしたい人
  • これから技術者として働きだす人
この記事を書いた人
A太郎

・技術士(金属部門)
・技術士試験に対して戦略的に対策を行い、一次試験・二次試験ともに一発合格
・共に切磋琢磨できる技術士仲間を増やすため、
 「技術士合格への道しるべ」で自分の使った合格への戦略を発信中
 
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技術士を取得するメリット

技術士を取得することで得られるメリットについて解説します。
基本的にこの5点のメリットが得られます。

技術士を取得するメリット
  • 信頼と評価が得られる
  • 収入が増える可能性がある
  • 人脈が広がる
  • 他の国家資格を取得する際に有利になる
  • 試験を通じて実力が高まる
A太郎
A太郎

それぞれ解説してきますね

信頼と評価が得られる

技術士は一般社会に対する知名度は全くないといっても過言ではありません。
しかし、科学技術に携わる技術者にとって技術士は最も権威のある最高位の国家資格です。
取得難易度が異様に高いこともあって、技術者界隈では実は結構有名な資格です。

そのため、技術士を取得すると技術士を知っている人からは一目置かれるようになります。
「上司に高く評価してもらえる」
「会社の関係者に仕事で協力してもらいやすい」
「取引先が話を聞いてくれやすい」
このような肩書パワーが得られます。

さすがに技術士を知らない人からはこの効果は得られません

収入が増える可能性がある

前述のとおり、技術士は技術系で最高峰の国家資格です。
そのため、技術士を取得することで高い評価を得られ収入アップに繋がりやすいというメリットがあります。

「勤め先から高く評価され、年収がアップする。」
「今より年収の高い勤め先に転職しやすくなる。」
このようなメリットが得られます。

実際にどの程度年収アップが見込めるかは勤め先によります。
参考資料として以下の資料を紹介しますね。
相場としては概ね月2万円の資格手当、20万円~30万円の報奨金が得られるようです。
こちらの資料を参考にしてください。

会社によっては月10万円の手当が出るところもあるそうですよ

すごい!月10万円はでかい!

人脈が広がりやすい

技術士は技術士同士が集まっていくつものグループを形成しています。
『日本技術士会』を筆頭に、大学の卒業生が集まって運営している『大学の技術士会』、企業内の技術士が集まって運営している『企業の技術士会』などがあります。

技術士になるとこれらの技術士会に所属して、他の技術士との交流がしやすくなります。
異業種交流会のように技術士の知り合いが増えるため、技術士の人脈が広がりやすくなります。
専門外の技術士と情報交換して意見を言い合ったり、お互いを刺激することでモチベーション向上に繋がるなどのメリットがありますよ。

もちろん、それが嫌な人は参加しないということも自由です。
人脈を広げるも広げずにいくのも自分で選べます。

A太郎
A太郎

選択肢が増えるということですね。

試験を通じて実力が高まる

技術士試験は難易度が高く、試験勉強を通じて様々な能力が高まります。
その中でも、特にメリットがあるものを解説します。

専門的な知識

試験勉強を通じて、広い範囲の専門知識が身に付きます。

技術士試験は出題範囲がやたら広く、自分が普段行っている業務とは関係ない分野の知識まで幅広く勉強する必要があります。
会社勤めの場合どうしてもその会社内で活用している技術に偏った知見になってしまいますが、技術士を取得すると受験を通じて幅広い専門知識を得ることができます。
一見「普段の業務と関係ない、使わない知識だ」と思いがちですが、意外と役に立つ場面も多いですよ。(もちろん業務にもよると思いますが)
得られた知識を活用してより良い成果を出しやすくなるというメリットがあります。

論理的に考える力

試験を通じて「現状の問題、課題、対策案、対策を実行する際の注意点・考えられるリスクを論理的に考える」という力が身に付きます。

どのような仕事でもより良い状態に改善していくということが求められますが、その時にこの論理的に考える力が役に立ちます。
「きちんと問題を分析し、仮説を立て、対策していく」というように順序立てて取り組むことで、着実に・確実に改善することが出来るようになりますよ。

分かりやすく伝える力

試験を通じて「専門的な知識」「論理的に考える力」が身に付きますが、それらは自分の中だけで理解していても仕事はなかなか進みません。
仕事を行う上では関係者がいるはずですから、仕事を進めるためには自分の知識や考えを理解してもらう必要があります。

この時に必要となる力「分かりやすく他社に伝える力」が試験を通じて身に付きます。

A太郎
A太郎

技術士になるとこのような便利な力が身につくというメリットがありますよ

他の国家資格を取得する際に有利になる

技術士を取得していると、他の国家資格を取得する際に一部の試験が免除されるという優遇がされる制度があります。
技術士を取得していない人よりも効率的に資格を取得することが出来るというメリットが得られます。

例えば、中小企業診断士、弁理士、気象予報士、労働安全コンサルタント、労働衛生コンサルタントなどの資格を受験する際、一部の試験が免除されます。
詳細はこちらの資料を参照してください。
※実際の試験免除制度については、それぞれの資格のホームページを参照するようにお願いします。

技術士を取得するデメリット

技術士を取得することのデメリットについて解説します。
技術士を取得するまでに2点のデメリットが、技術士を取得してからは2点の注意点があるという形ですね。

取得するまでに費用が掛かる

技術士を取得するまでには結構高額の費用が必要になります。

一発合格したとしても、受験料と登録料だけで6万円以上かかります。
試験会場が遠方にしかない場合には交通費や宿泊費が掛かりますし、一発合格出来ず何度も受験する場合には更に費用が掛かります。
有料の試験対策講座をもっとですね。

トータルで10万円くらいは普通に掛かると思いますので、それが技術士を取得するまでのデメリットですね。

費用についてはこちらの記事でまとめています。
技術士になるまでに掛かる費用は6万円くらい?【実際の費用を算出】

取得するまでに時間が割かれる

技術士は非常に難易度の高い資格です。
そのため、取得までには長い勉強時間が必要になります。
必要になる勉強時間は人によって異なるでしょうが、少なくとも数百時間、人によっては1000時間~2000時間の勉強時間が必要になります。

資格を取得すること以外にも、仕事、家庭、趣味など色々やりたいことはあるかと思います。
人間の時間は有限ですから、やはり時間が掛かるというのはデメリットであるとしてこちらの項目に挙げておきました。

必要な勉強時間についてはこちらの記事でまとめています。
技術士試験に合格するまでの勉強時間【技術士になるまでのトータル】

技術士になったら義務・責務が課される

こちらは技術士になった後のデメリットですね。
技術士は3義務2責務という技術士法に則った義務や責務が課せられます。
罰則があるものもあるので、この点がデメリットであるといえますね。

<3義務>
①信用失墜行為の禁止(技術士法第 44 条)
②秘密保持義務(技術士法第 45 条)
③名称表示の場合の義務(技術士第 46 条)
<2責務>
④公益確保の責務(技術士法第 45 条の 2)
⑤資質向上の責務(技術士法第 47 条の 2)

3義務2責務についてはこちらの記事でまとめています。
技術士の3義務2責務とは?わかりやすく解説します【技術士試験対策】

技術士は妻との会話に注意する必要がある

こちらは半分ジョークです(笑)

技術士は技術士を取得する過程で問題解決能力が高まります。
意識せずとも、様々な場面で『問題の把握⇒対策の立案⇒対策の効果とリスクを検討』までつい考えるようになってしまいます。

しかし、妻と会話する時にはこの問題解決能力がネックになる場合があります。
妻が求めているのは「問題を解決したい」ということだけではなく、「共感して自分に寄り添ってほしい」ということだったりします。

相手の求めていることもしっかり理解することも必要ですよ。
妻との会話で「じゃあこういう方法はどう?」と対策案ばかり挙げていくのはナンセンスです。

実際に技術士を取得した体験談

ここからは、私が技術士になってから実際に感じたメリット・デメリットについて紹介していきます。

メリット①:収入が増えた

技術士を取得することで、シンプルに会社からもらえる給料が増えました。

私の勤め先では技術士を取得しても資格手当という形では支給されませんでしたが、毎年の昇給のタイミングで技術士を取得した分昇給額を上乗せしてもらえました。
私の勤め先では資格手当というシステムがない代わりに基本給を上げることで対応したという形ですね。

基本給を上げてもらったので、その分は賞与にも反映されるのでラッキーでした。(笑)
技術士取得に掛かった費用もこれですぐ回収できそうです。

メリット②:実力が身に付いた

技術士試験を通じて、普段自分の業務では扱わないような範囲の専門知識も勉強したのですが、これが結構役に立ちました。

私の場合は製造工程を改善しようという取り組みなども行っているのですが、この時に既存の技術の枠組みからすこし離れた技術も活用してみようということがやりやすくなりましたね。

「チョコレート」と「ホッとする」を組み合わせた「GABAチョコレート」みたいな?

A太郎
A太郎

うーん…そんな感じ!(笑)

この他にも、論理的な考え方が出来るようになったのも大きいです。
これまでは業務上で問題解決に取り組む際、ろくに問題の分析もせず場当たり的な対策をとってしまい中々問題が解決しないというようなことも意外とあったりしました。
それが技術士試験を通じて論理的な考え方を身に着けることで、これまでよりも短期間で問題を解決することが出来るようになりました。

今まで如何に技術者として未熟だったか思い知らされました

このように、試験勉強を通じて実力がつき、それによってスムーズに仕事が出来るようになったというメリットがありました。

メリット③:技術士の肩書で仕事が進めやすくなった

私は技術士を取得することによって社内で一定のポジションが得られたようで、仕事を進める上で上司や同僚などの周囲の関係者の協力を得やすくなりました。
その結果仕事を進めやすくなったというメリットを感じました。

社外の取引先とコミュニケーションをとる場合においても同様です。
名刺に『技術士』と記載しておくと、名刺交換の際などには「おー技術士もってるんですね」という反応がありこちらの話を友好的に聞いてくれることが多くなりました。

一部のネットでは
「技術士なんて使えねーやつばかりだ」
「文章書くのがちょっと上手いだけの記述士(笑)」
などのネガティブな意見も見られますが、幸い私の周囲ではそのような反応はなくむしろ技術士の肩書があるだけで随分対応を良くしてくれるようになったケースの方が多かったです。
(面と向かってそんなネガティブなことを言うような人はほとんどいないでしょうけど。)

いずれにせよやはり肩書の力は大きいようで、技術士の名称を使うとある程度関係者から協力が得やすいというメリットがありました。

もちろん、技術士であれば無条件に社内や社外の関係者から受け入れられるというものではなく、周囲の人から受け入れられるためには誠実に対応することが大切です。

デメリット①:プレッシャーが増えた

技術士になってしばらく成果を積み上げていくと、これまでよりも難易度が高く失敗した時に周囲に与える影響が大きい仕事が段々と増えてくるようになりました。
ありがたいことではありますが、やはりプレッシャーという意味では負担はありますね。

これまでよりも難易度の高い仕事も涼しい顔してこなせるようになった時に成長を感じるはずと思ってなんとかかんとかやっています。

まとめ

技術士を取得するメリットとデメリットについて解説しました。
併せて、私が実際に技術士となって感じたメリットとデメリットを紹介しました。

さて、技術士になることで様々なメリットが得られるわけですが、合格までの難易度が高いことを考えるともう少しメリットが大きくても良いのではないかなと考えます。
技術士という資格自体の認知度も低く、充分活用されていない状態がもったいないかなと思います。

技術士はその知名度の低さや独占業務がないことから「技術士はとってもメリットがない、意味がない」と思う人もいると思いますが、
私としては「技術士になるメリットはある。しかし、高い難易度に見合ったほどのメリットではない。」というのが技術士のメリットの正しい表現であると考えています。

技術士が充分に活用されていないということについては文部科学省の技術士分科会でも議論されており、平成31年1月8日に公開された「技術士制度改革に関する論点整理」で今後技術士の活用拡大に取り組むことが記載されています。
この取り組みによって技術士の業務独占資格化などが実現されれば技術士は相当地位が向上するでしょう。
そうすれば、企業も資格手当など目に見えるようなメリットを提示しだすでしょうし、技術士を受験する人も増えると考えられます。

今後、技術士の更なる有効活用と地位向上が実現することを期待したいです。

これから技術士試験を受けようかなという方はこちらの記事もどうぞ。
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