
技術士倫理網領について勉強するぞ!

はい、それでは解説していきますね
技術士試験では、「技術士倫理網領」に関わる問題が出題されます。
特に二次試験の口頭試験では必ずと言っていいほど質問されますので、これらについてはきっちりと理解しておく必要があります。
二次試験だけでなく、一次試験の適正科目でも出題される場合がありますので、口頭試験に臨む方だけでなく一次試験をこれから受験する方にとっても読んでもらいたい内容となっています。
・技術士試験を受験する方
・技術士一次試験の適正科目を勉強している方
・技術士二次試験の口頭試験を対策している方
口頭試験の対策をしている方はこちらも併せてどうぞ
技術士倫理網領とは?
技術士が技術士としての使命を全うするために、このような倫理観を持って仕事をしましょうねということが記載されたものです。
技術士倫理網領は日本技術士会のこちらのホームページに記載されています。
その内容はこのようなものになります。
【基本綱領】
(公衆の利益の優先)
1.技術士は、公衆の安全、健康及び福利を最優先に考慮する。(持続可能性の確保)
2.技術士は、地球環境の保全等、将来世代にわたる社会の持続可能性の確保に努める。(有能性の重視)
3.技術士は、自分の力量が及ぶ範囲の業務を行い、確信のない業務には携わらない。(真実性の確保)
4.技術士は、報告、説明又は発表を、客観的でかつ事実に基づいた情報を用いて行う。(公正かつ誠実な履行)
5.技術士は、公正な分析と判断に基づき、託された業務を誠実に履行する。(秘密の保持)
6.技術士は、業務上知り得た秘密を、正当な理由がなく他に漏らしたり、転用したりしない。(信用の保持)
7.技術士は、品位を保持し、欺瞞的な行為、不当な報酬の授受等、信用を失うような行為をしない。(相互の協力)
8.技術士は、相互に信頼し、相手の立場を尊重して協力するように努める。(法規の遵守等)
9.技術士は、業務の対象となる地域の法規を遵守し、文化的価値を尊重する。(継続研鑚)
日本技術士会 倫理網領
10.技術士は、常に専門技術の力量並びに技術と社会が接する領域の知識を高めるとともに、人材育成に努める。

これくらいだったらなんとなく分かるかも!

法律の文面よりはイメージしやすく書かれてますよね
倫理網領の中身を見てみると、この倫理網領にあるように活動していれば自然と技術士の3義務2責務を守れているように作られていることが分かりますね。
例えば (公衆の利益の優先) と (持続可能性の確保) は「公益確保の責務」を、(秘密の保持) はそのまま「秘密保持義務」が守られるような形になっています。
技術士試験ではどのように出題される?
ここまで「技術士倫理網領」について確認してきました。
次は、これらが技術士試験ではどのような形で出題されるかを解説していきたいと思います。
技術士一次試験 適性科目
技術士一次試験の適性科目では3義務2責務に関係する問題がほぼ毎年出題されます。
例えば、以下のようなシンプルに条文を回答させる問題がよく出題されます。
一次試験のうちは文章さえ覚えておけば常識的な感覚だけで割と回答できると思います。
3義務2責務と倫理網領について暗記するだけしてしまって、あとの時間は基礎科目や専門科目などに費やしたほうが効率的かなと思います。
技術士一次試験の適性科目では3義務2責務に関係する問題がほぼ毎年出題されます。
例えば、以下のようなシンプルに条文を回答させる問題がよく出題されます。
一次試験のうちは文章さえ覚えておけば常識的な感覚だけで割と回答できると思います。
3義務2責務について暗記するだけしてしまって、あとの時間は基礎科目や専門科目などに費やしたほうが効率的かなと思います。
空欄に入る語句を選べ。
「 秘密保持〇〇(技術士法第 45 条) 」
○○=責務?義務? 答え:義務
答え:義務

実際の問題はもっと長いです。

正確なものは技術士会が公開している過去問を参照してください
技術士二次試験 口頭試験
技術士二次試験の口頭試験では、がっつりと理解していることが求められます。
口頭試験は試験時間が短いので3義務2責務についてあっさりと終わるケースもある一方で、出題される時は結構ぐいぐいと意地悪な聞かれ方もするので要注意です。
例えば以下のような質問がされます。
<簡単な質問>
Q.3義務2責務を知っていますか?
Q.公益とは何ですか?
<意地悪な質問>
Q.あなたの勤め先から公益を損ねることを指示されたらどうしますか?
Q.最近のニュースで技術者倫理に反すると思う事例はありますか?
それはなぜ起きてしまったと思いますか?

意地悪な質問は答えに詰まりそう

回答をあらかじめ考えておかないと答えにくいですよね
<補足!>
秘密保持義務の解説のところで少し記載しましたが、「秘密保持義務」と「公益確保の責務」が相反している場合はどのように対応すべきか注意が必要ですので解説します。
まず、「秘密保持義務」と「公益確保の責務」が相反している場合というのは例えば「会社の製品に致命的な欠陥を発見してしまった。でも会社は口外するなと言ってきた」という場合ですね。
致命的な欠陥を見過ごせば「公益確保の責務」に反しますし、致命的な欠陥を会社の意に反して公開したら「秘密保持義務」に反するように思います。
この場合、対応する順番が重要です。以下の順番で対応するようにします。
①事実関係の調査・検証を行う
②問題があると確証があった場合、関係者を説得する
③説得に応じてもらえない場合は適正な機関( 労働基準監督署や都道府県労働局など )に公益通報する
という流れですね。
これは「公益通報者保護法」という法律で条件が決められており、条件を守っている場合は通報者を不利益な扱いから保護してもらえます。
なお、適正な機関にマスコミは該当しませんので注意してください。
マスコミににタレコミなどした場合には公益通報者保護法の対象にならないのでやめましょう。
詳細は公益通報者保護法で調べてみてください。
まとめ
技術士の技術士倫理網領について解説しました。
これらについては技術士試験 一次試験、二次試験両方で必ずといっていいほど出題されます。
きっちりと理解をして対策できるといいですね。
併せてこちらの記事で技術士の3義務2責務について勉強するとよいでしょう。
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