- 技術士一次試験の適正科目は何を勉強したら良い?
- 勉強しなくても常識感覚だけで大丈夫?
- 参考書は買った方が良い?
適性科目は結構甘く見られがちです。ネットで情報を集めてみると。「適性科目は常識感覚で解ける!勉強の必要なし!」という意見もあるようです。
もちろん勉強せずとも常識感覚で解ける人も沢山います。
その一方で、油断して試験に挑んで撃沈したという方も沢山います。
それでは、実際どういう人は適正科目を勉強しなくても良くて、どういう人は勉強した方が良いのでしょうか。
時間は限られていますので、出来ることなら他の科目にも勉強時間を回したいですよね?
そこで、本記事では「最小限の勉強時間で8割くらいの得点を目指す」ための技術士一次試験の適正科目の勉強方法を解説します。
私自身もこの方法で一次試験を一発で合格しています。
本記事を読むことで適正科目をどの程度勉強すればよいかが理解できるはずです。
適性科目に掛ける勉強時間を必要最小限にすることで、比較的時間が掛かりがちな基礎科目や専門科目に勉強時間を割くことが出来るようになりますよ。
技術士一次試験全般の対策方法についてはこちら
⇒技術士一次試験の概要と試験対策【技術士の道しるべ】
技術士一次試験 適性科目の概要
適性科目は「技術士としての適性」があるかを見られる試験です。
技術士として活動するために必要な倫理観があるか、社会における立ち振る舞いが適切なものかを確認されます。
適性科目で出題される内容は以下のとおりです。
総じて、技術士として活動する上で関係することになる法律を基に出題されます。
具体的な出題内容については、技術士会のホームぺージで過去問題が公開されているのでそちらをご確認ください。
技術士一次試験 適性科目は勉強が必要か?
勉強した方が良いかは人によるが、ちょっとは勉強した方が良い
適性科目では技術士に関係する法律を基に出題されるわけですが、
試験対策としてこれらの法律をイチから勉強する必要があるのでしょうか?
結論としては
「適性科目を勉強した方が良いかは人による。
但し、ほとんどの人は少しは勉強しておく方が良い」
です。
適性科目は常識的な出題も多くあり、常識的な感覚で解けるという人はいるでしょう。
実際、ネットなどで調べてみると「適性科目は常識感覚で解ける。勉強する必要はない。」という意見も一部で見られます。
一方で、近年では適性科目の難易度が高くなっていることもあり、初見では判断に迷うであろう問題も多く出題されます。例えば、「技術士の3義務2責務」はほぼ確実に出題されるのですが、次のような問題に初見で即答できる人は少ないのではないでしょうか?
問題:「公益確保の○○(技術士法第 45 条の 2)」
この条文の○○として正しいのは義務?それとも責務?
答え:責務
ということで、全く対策せずに試験に挑むのはかなりリスキーです。
ほとんどの人はある程度勉強しておく方が良いと考えます。
勉強しておいた方が良いが、バランスは大事
ただ、むらみやたらと100%全問解答できるほど勉強するというのもバランスがよくありません。
試験に合格できる程度の必要な分を抑えたら、基礎科目や専門科目の対策に時間を費やすべきです。
幸い、適性科目は効率的に勉強すればすぐに必要な分は抑えられる科目ですから、ササッと対策を終わらせて基礎科目や専門科目を勉強していきましょう。
あなたが目指すのは法律家ではなく技術士ですから、技術的知識の勉強に時間を多めにした方が良いと思いますよ。
目安としては、過去問を解いた時の得点率が80%程度になるまでです。
過去問を解いて得点率が80%以上になったら、基礎科目や専門科目の勉強に時間を費やすようにしましょう。
効率よく勉強していきましょうね
技術士一次試験 適性科目の勉強方法
それでは、効率の良い適性科目の勉強方法を解説します。
ここで解説する勉強方法の目指すところは「最小限の勉強時間で8割くらいの得点を目指す」です。
要点としては、「適性科目で100%完璧を目指すわけではなく、適性科目は80%と必要量をキープしながら余力を基礎科目と専門科目に回すこと」です。限られた時間の中で、技術士一次試験に合格する可能性を最大化するバランスを狙っています。
バランス感覚の良さは技術士に求められる資質でもありますので、効率的なバランスは意識しておいた方が良いですよ。
ぜひ、この勉強方法を参考にしてくださいね。
手順① 必要な知識を確認しておく
まずは、適性科目を対策する上で必要な知識を確認しておきましょう。
必要な知識とは次の通りです。
これらの知識については本サイトでも詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
手順② 過去問(もしくは参考書)をひたすら解く
必要な知識をざっと確認したら、次は過去問をひたすら解いてみましょう。
適性科目に限らず基礎科目や専門科目でもそうなのですが、技術士一次試験では出題される問題のうち半分程度は過去問から出題されます。
合格基準は「50%以上の正答率であること」ですから、過去問さえ抑えておけば合格できる程度の実力はつくはずです。
なお、出題は過去問と全く同じ問題が出される場合もありますし、多少内容を変えて出題されるケースもあります。
過去問と全く同じ問題であればまるっと暗記することでOKなのですが、内容を変えた問題に対応するためにはもう少し内容を理解するということが必要となります。
いずれにせよ、過去問を解くことが効率的な適性科目の試験対策であると言えます。
なお、過去問を勉強する上でひとつ注意点があります。
出題の中にはキーワードや事例をいくつか挙げて「適切なもの(もしくは適切でないもの)の数はどれか。」という形の問題が多く出されます。
このような問題の場合、解答だけをみても「どれが適切でどれが適切でないのか」ということが分かりません。
例えば以下のような問題がそれに該当します。
製造物責任(PL)法の目的は、その第1条に記載されており、「製造物の欠陥により人の生命、身体又は財産に係る被害が生じた場合における製造業者等の損害賠償の責任について定めることにより、被害者の保護を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与する」とされている。次の(ア)~(ク)のうち、「PL法上の損害賠償責任」に該当しないものの数はどれか。
(ア)自動車輸入業者が輸入販売した高級スポーツカーにおいて、その製造工程で作りこまれたブレーキの欠陥により、運転者及び歩行者が怪我をした場合。
(イ)建設会社が造成した宅地において、その不適切な基礎工事により、建設された建物が損壊した場合。
(ウ)住宅メーカーが建築販売した住宅において、それに備え付けられていた電導シャッターの製造時の欠陥により、住民が怪我をした場合。
(エ)食品会社経営の大規模養鶏場から出荷された鶏卵において、それがサルモネラ菌におかされ、食中毒が発生した場合。
(オ)マンションの管理組合が発注したエレベータの保守点検において、その保守業者の作業ミスにより、住民が死亡した場合。
(カ)ロボット製造会社が製造販売した作業用ロボットにおいて、それに組み込まれたソフトウェアの欠陥により暴走し、工場作業者が怪我をした場合。
(キ)電力会社の電力系統において、その変動(周波数等)により、需要家である工場の設備が故障した場合。
(ク)大学ベンチャー企業が国内のある湾内で養殖し、出荷販売した鯛において、その養殖場で汚染した菌により食中毒が発生した場合。正解:5個
令和元年度 技術士一次試験 適性試験 Ⅱ-3
上記のような形で技術士会のホームページに過去問とその解答が無料で公開されていますが、解説は一切ありません。
この問題について適切に勉強するためには公開情報だけでは不充分なのです。
たしかにどれが該当していないのかわからない
この類の問題は捨てるというのであればそれでも構わないのですが、出来れば参考書を一冊買って解説を読むのが望ましいです。
参考書の内容をがっつりと勉強する必要はありませんが、一回流し読みするだけでもかなり違います。
技術試験対策の講座などで掛かる費用と比較しても安価ですし、投資と考えて一冊購入すると時間効率も良く勉強できます。
技術士一次試験の対策本は多くの種類が出版されていますので、好きな物を一冊購入して活用するのが良いかと思います。
例えばこちらの参考書は適性科目だけでなく基礎科目もセットになっていますのでおすすめです。
まとめ
技術士一次試験 適性科目について解説してきました。
ポイントをまとめます。
適性科目は効率よく勉強すればすぐに必要な分は抑えられますので、
サクッと対策を済ませて他科目の対策を行いたいですね。
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