- 大学院卒なんだけど、大学院での研究期間を技術士二次試験の実務経験に加算できる?
- 実務経験の経路は3つあるけど、どの経路でも加算可能なの?
- 他に細かい条件はある?
技術士二次試験は「4年or7年以上の実務経験」が受験資格として必要になります。
このうち、大学院に在籍していた方は大学院での研究期間を2年分まで実務経験としてカウントすることができます。
このことは日本技術士会公式サイトの受験申込案内でも記載されているのですが、微妙に分かりにくかったりします。
そのため、自分が本当に実務経験を満たしているかが分からないという方は結構多いのではないでしょうか?
そこで、本記事では「大学院の研究期間を技術士二次試験の実務経験としてカウントすること」について解説していきます。
詳しいことはQ&Aにまとめましたので、手っ取り早く知りたい方はこちらから該当箇所にジャンプしてください。
⇒こちらをクリックして本記事のQ&Aまでジャンプ
技術士二次試験の受験申込案内の内容を解説
技術士二次試験の受験申込案内では、大学院における研究経歴を実務経験としてカウントする場合のことを以下のように記載しています。
大学院における研究経歴
* 学校教育法による大学院修士課程・専門職学位課程(理科系統)の修了者
* 学校教育法による大学院博士課程(理科系統)の在学者、又は在学していた者
(学校教育法による大学院修士課程・専門職学位課程(理科系統)を修了していること)上記のいずれかに該当する場合は、受験資格2)の①~③の全てについて、「第一次試験合格」又は「指定された教育課程を修了」した以前の期間であっても、大学院での研究経歴の期間を、2年間を限度として受験資格2)の①~③の業務経験の期間を減じることができます。
引用:日本技術士会公式サイト「技術士度について」
公的な文書の常ですが、中々分かりにくい内容ですね
正確に記載するためには必要なんでしょうけど…
重要なポイントは「学校教育法による大学院修士課程・専門職学位課程(理科系統)の修了者」ですね。
これを分かりやすく説明すると以下のようになります。
- 「学校教育法による~」に該当すること
(例)海外の大学院はNG - 「理科系統」に該当すること
(例)文系などはNG - 「修了者」に該当する事
(例)現在大学院で研究中などはNG、但し博士課程はOK
修士課程、博士課程の違いが良くわからないという方はこちらの記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
⇒技術士と博士の違いは?役割や就職時の有利不利を比較!
「大学院での研究期間を実務経験にカウントする」に関するQ&A
「大学院での研究期間を実務経験にカウントする」について、よくある質問としてまとめます。
- Q大学院での研究期間を技術士試験の実務経験としてカウントすることはできますか?
- A
はい。
2年を限度として大学院での研究期間を実務経験としてカウント可能です。
- Q経路①~③のうち、どの経路の場合に大学院での研究期間を実務経験としてカウントできますか?
- A
いずれの経路でも実務経験としてカウント可能です。
- Q理科系統の学部じゃない場合(文系など)でも実務経験としてカウントできますか?
- A
理科系統の学部学科以外は対象外となります。
技術士法施行規則第10条第6項で「学校教育法による大学院修士課程・専門職学位課程・博士課程(理科系統)の修了者」と定められており、理科系統以外の学部学科だとその対象外となるためです。
- Q自分の学部学科が理科系統かわかりにくい場合はどうすればよいですか?
- A
日本技術士会の試験担当の方が確認してくれます。
成績証明書(コピーでも可)を送付すれば申込受付期間前でも確認してくれます。
- Q海外の大学院を修了した場合、研究経歴2年間を実務経験としてカウントできますか?
- A
海外の大学院は対象外となります。
技術士法施行規則第10条第6項で「学校教育法による大学院修士課程・専門職学位課程・博士課程(理科系統)の修了者」と定められており、海外の大学院はその対象外となるためです。理系系統だとしても海外の大学院での研究期間は実務経験としてカウント出来ません。
大学院卒で技術士試験に合格すると大学のニュースになることがある
大学院の卒業者は学部生と比較して大学ニュースに取り上げられがちな傾向があります。
例えば以下のようなケースですね
食品栄養科学部食品生命科学科を2022年3月に卒業し、現在、薬食生命科学総合学府食品栄養科学専攻博士前期課程1年の田代萌香さん(食品衛生学研究室所属)が、技術士補(農業部門)に登録申請し、承認されました。
引用:静岡県立大学公式サイト「本学大学院生が技術士補(農業部門)を取得」
生物資源科学研究科 生物資源科学専攻 博士前期課程2年生の入江倭斗さん(ルーラルエンジニアリンググループ/農地防災保全学研究室)が令和2年度の技術士(農業)第一次試験に合格しました。
「技術士」とは技術士法に基づいた登録を受け、自分が専門とする分野において、計画、研究、設計、分析などの業務を行う者であり、その試験は国による資格認定制度(文部科学省所管)を受けています。20部門ある中でも農業部門は分野が広く、1回目の受験で合格したことは非常に喜ばしいことです。第一次試験合格者は「修習技術者」と呼称され、同一技術部門の技術士の補助があることを条件に「技術士補」となる資格を得ることになります。
入江さんは、建設コンサルタント大手のパシフィックコンサルタンツ株式会社への就職が内定しており、大学院修了後は実務経験を積んで超難関の第二次試験にチャレンジし、技術士を目指します。
引用:秋田県立大学公式サイト「本学大学院生が技術士一次試験に合格しました」
大学院生は学部生よりも大学との繋がりが太いことが多いというのが理由かと思います。
自分の名前が大学ニュースに乗るので、自分の価値を高めていきたいという方にとってはメリットだと思います。
大学のニュースに載せてもらいたい場合は自分の卒業大学に報告するとニュースとして載せてくれるかもしれませんね。
まとめ
大学院での研究期間を技術士試験の実務経験として加算することが可能かを解説しました。
基本的には大学院での研究機関は実務経験として加算することが可能です。
但し、ひとくちに大学院と言っても「海外の大学院はNG」「理科系統以外はNG」などいくつか対象外となる要素もあります。
心配な方は日本技術士会に確認してみましょう。
コメント