技術士って日本に何人ぐらいいるのかな?
技術士の人数とその推移を解説していきますね
日本内には色々な資格が存在しますが、その中でも技術士はどれくらいいるのでしょうか?
弁護士や医師などの他の有名な最難関国家資格と比較して多いのでしょうか?
ちょっと気になるところですね。
そこで、本記事では「どのくらいの人数が技術士として登録しているのか?その推移は?」について解説していきます。
そのほか、部門別の割合や技術士を多く有している企業等にも触れていきます。
そもそも技術士ってなに?という方はこちら!
⇒技術士とはどんな資格?【技術系最難関の国家資格】
技術士の人数
登録者数の推移(※女性技術士の割合も併記)
日本技術士会が公開している技術士登録者の実人数※の推移を以下に記載します。
併せて、女性技術士の割合も併記します。
※1人で複数部門を登録している場合は、いくつの部門で登録していても1人としてカウントしています。
2021年の時点で約9.5万人が技術士として登録されています。
文部科学省のデータによると日本の技術者の人数は約238万人(2015年時点)だそうです。
技術者を100人集めたらそのうち4人は技術士という割合ですね。
ただ、既に引退している人もいるでしょうから実際に技術士として活動している人数はもう少し少ないかと思います。
現状では技術士に更新制度がなく一度登録したら引退しても技術士として登録が残り続けるのは問題視されやすいですね。
このあたりについては更新制度の導入が検討されておりますので別途の記事を作成予定です。
推移を見てみると、毎年2,000~3,000人ずつ登録者数が増えていることが分かります。
技術士二次試験の合格者数が毎年2,000~3,000人程度ですので、その分がどんどん上積みされている形ですね。
そのほか、年々女性技術士の割合が増加しているのも特徴的です。
日本技術士会では女性技術士を増やすために「男女共同参画推進委員会」を作って活動していますので、その効果が見えます。
女性で技術士になる人の割合が増えているんだね!
私も何人か女性技術士の知り合いがいますけど、皆さん優秀な方ですよ
部門ごとの割合
次に部門ごとの割合を見てみます。
技術士は21の部門が設置されていますが、どの部門の人数が多いというような傾向はあるでしょうか?
日本技術士会が公開しているデータを以下に記載します。
建設部門の人数が圧倒的に多い!
これは建設部門に実質的な独占業務があるからですね
技術士登録者数の割合としては建設部門が半数を占めています。
次いで上下水道部門、機械部門、電気電子部門、農業部門と続いています。
総合技術管理部門も2番目に多いですが、こちらは他の20部門に追加して取得する方が多いためです。
建設部門の割合が多いのは、建設部門のみ実質的に業務独占のようになっているからです。
例えば、公共工事の入札の際に技術士1人につき加点されたり、受注金額の上限が上がったりします。
また、建設コンサルタントとして登録する際の条件として「従業員に技術士がいること」があったりと、建設部門は良く活用されています。
ということで、他部門でも業務独占のような活用がされ始めれば技術士の人数は一気に増加すると思います。
やはり独占業務があると資格の需要は一気に増加しますからね。
今後の動きに期待したいところです。
技術士の業務独占についてはこちらの記事で考察しています。
⇒技術士に独占業務はないが将来はどうなる?
有名企業に所属する技術士の人数
企業のサイトを見ていると、有資格者数一覧のページを作成している企業がいくつもあります。
その中に技術士が何人所属しているかというデータを公開している企業がありましたので、参考として有名どころをいくつかピックアップして以下に記載します。
日本工営グループ:1,727人(2021年6月)
日立グループ:1,017人(2020年5月)
東芝プラントシステム㈱:24人(2021年3月)
三菱電機エンジニアリング㈱:38人(2021年7月)
※現在の人数については各企業の公式サイトをご参照ください。
やはり有名企業は技術士が多く所属していますね。
また、上記以外にも以下の企業は企業内で技術士会を作って技術の発展や自己研鑽の活動をしているそうです。
株式会社日立製作所(日立技術士会)
株式会社東芝(東芝技術士会)
日本電気株式会社(NEC技術士会)
富士通株式会社(富士通技術士会)
三菱電機株式会社(三菱電機技術士会)
富士電機ホールディングス株式会社(富士電機技術士会)
ソニー株式会社(ソニー技術士会)
パナソニック株式会社(パナソニック技術士会)
株式会社明電舎(明電舎技術士会)
日本無線株式会社(日本無線技術士会)
日本電信電話株式会社(NTT関係技術士の会)
日本IBM株式会社(日本IBM技術士会)
株式会社トーエネック(トーエネック技術士会)
株式会社ユアテック
株式会社復建技術コンサルタント
帝人株式会社(帝人技術士会)
日揮株式会社(日揮技術士・PE会)
千代田化工建設株式会社(千代田技術士・PEの会)
東洋エンジニアリング株式会社(TOYO技術士・PE会)
川崎重工業株式会社(川重技術士会)
三菱重工業株式会社(三菱重工技術士会)
株式会社ネクスコ・エンジニアリング東北
株式会社きんでん(きんでん技術士会)
綜合警備保障株式会社(ALSOK技術士会)
一般社団法人原子力安全推進協会(JANSI技術士会)
株式会社総合車両製作所(J-TREC技術士会)
一般社団法人電力土木技術協会(電土協技術士会)
太平洋セメントグループ (太平洋技術士会)
株式会社関電工(関電工技術士会)
日本工営株式会社(日本工営グループ技術士会)
マツダグループ各社(マツダ技術士会)
日本化薬株式会社(日本化薬技術士会)
AGC株式会社(AGC技術士会)
宇部興産グループ会社(UBEグループ技術士会)
株式会社荒谷建設コンサルタント(アラタニ技術士会)
株式会社協和エクシオ(協和エクシオ技術士会)
極東開発工業株式会社(極東開発工業グループ技術士会)
西日本高速道路エンジニアリング関西株式会社(西日本高速道路エンジニアリング関西技術士会)
旭化成株式会社(旭化成技術士会)
日本製鉄株式会社(日鉄技術士会)
大成建設株式会社(大成建設技術士会)
さすがに具体的な人数を公開している企業は少ないですが、企業内技術士会を組織できるほどの人数はいるだろうということは予想できます。
企業内技術士会を組織しているという特徴があると、企業の技術力がどの程度のものなのかを計るひとつの指標になりやすいかもしれませんね。
これらの企業には多くの技術士が所属していそうですね。
他の国家資格の人数と比較
技術士の登録者人数が約95,000人ということが分かりましたが、これは他の国家資格と比較してどうなのでしょうか?
以下に代表的な国家資格の人数の一覧を記載します。
技術士 : 95,000人(2021年)
医師 : 327,210人(2019年)
税理士 : 79,956人(2021年)
弁護士 : 42,164人(2020年)
公認会計士 : 32,744人(2020年)
中小企業診断士:約27,000人(2019年)
弁理士 : 12,017人(2021年)
やはり需要が大きい分野の人数が多く、需要が小さい分野の人数が少ないという傾向が見えます。
例えば、国民の健康を守るために必要になってくる医師は一番多いです。また、国民や企業の税金に関する業務を行う税理士も比較的多いですね。
一方、それらよりも需要が小さい特許出願を補助する弁理士は少ない人数となっています。
これを踏まえて技術士の人数はどうでしょうか?
医師よりは少ないですが、税理士や弁護士、公認会計士などよりも多めの人数になっています。
日本は技術大国と言われております(言われていた?)ので技術的な仕事の需要は大きいと思います。
名称独占の資格であることも踏まえると、個人的にはなんとなく妥当な人数であるように感じます。
技術士の人数は増えたほうが良いか?
技術士は「高度な技術力やコミュニケーション能力をもつことを国から認められた技術者」といえます。
そのため、技術士の資格を活用する場を増やし、技術士を増やしていくことは日本にとってもメリットがあると考えます。
とはいえ、試験を簡単にして技術士を増やしてもあまり意味はありません。
技術士の資質を担保しながら、技術士資格を活用する場を増やすことで技術士の人数を増やすという方針が良いと考えます。
まとめ
技術士の人数とその推移を解説しました。
技術士は高度な能力を持っていることを国から証明された技術者ですから、技術士の人数が増加すれば日本にとってはメリットがあると考えます。
今後、技術士資格を活用する場が増加し、技術士が増えていったらいいなと思います。
私もその一助となるべく、技術士の魅力を伝えていけたらなと思います。
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