技術士一次試験は技術士になるための第一歩ですが、実は技術士一次試験は免除されるケースがあります。
具体的には、指定の大学を卒業した人や指定の国家資格を取得しているなどのケースです。
一次試験が免除される条件は日本技術士会のサイト上で公開されているのですが、情報が煩雑でいまいちわかりにくいかと思います。
そこで、本記事では技術士一次試験が免除される条件を解説します。
自分が一次試験の免除対象となっているかこの記事を読んでチェックしてみてください。
技術士一次試験が『全部』免除される条件
まずは、技術士一次試験を『全部』免除される条件を解説します。
該当する方は一次試験を受験せずともいきなり二次試験に進むことができます。
※二次試験の受験要件である実務経験は別途満たす必要があります。
JABEE認定教育課程の修了者
JABEEに認定された教育課程の修了者(分かりやすく言うと指定の大学と学部の卒業生)は、技術士一次試験をすべて免除されます。
該当する方は一次試験を受けることなくそのまま二次試験を受験することができるので、かなりお得です。
このことは技術士法第三十一条の二 第二項で規定されています。
技術士等の資格に関する特例
技術士法 第三十一条の二 第二項
大学その他の教育機関における課程であつて科学技術に関するもののうちその修了が第一次試験の合格と同等であるものとして文部科学大臣が指定したものを修了した者は、第四条第二項の規定にかかわらず、技術士補となる資格を有する。
法律の原文を読んでも分かりにくいと思いますが、要するに「対象となる大学と学部を卒業した人は一次試験に合格した者と同等であると判断する」と言っています。
対象となる大学と学部は文部科学省のホームページのこちらの資料で公開されていますので、大学を卒業している方は一度確認してみると良いでしょう。
こんな感じで対象となる大学と学部、免除される部門が一覧で掲載されています。
かなり多くの大学が対象となっているので、一度確認してみることをおすすめします。
技術士一次試験を『一部』免除されるケース
次に、技術士一次試験を『一部』免除される条件を解説します。
該当する方は一次試験のうち専門科目を免除されます。
技術士一次試験は「基礎科目、適正科目、専門科目」と3科目ありますが、そのうちかなりのボリュームを占める専門科目が免除されるのでかなり有利になりますよ。
ただし、基礎科目と適正科目は免除されないのでこれらの科目はしっかり合格する必要がある点には注意が必要です。
中小企業診断士を取得している人
中小企業診断士を取得している人のうち次の条件に当てはまる人は、一次試験の経営工学部門を受験する場合に専門科目が免除されます。
1.中小企業診断士に登録している方
引用:日本技術士会 第一次試験のよくあるご質問 https://www.engineer.or.jp/c_topics/003/003781.html
2.養成課程又は登録養成課程を修了した方であって当該修了日から3年以内の方
3.中小企業診断士第2次試験に合格した方であって当該合格日から3年以内の方
情報処理技術者を取得している人
情報処理技術者試験の高度試験及び情報処理安全確保支援士の合格者は、一次試験の情報工学部門を受験する場合に専門科目が免除されます。
なお、高度試験とは以下の種類です。
1.ITストラテジスト試験
引用:日本技術士会 第一次試験のよくあるご質問 https://www.engineer.or.jp/c_topics/003/003781.html
2.システムアーキテクト試験
3.プロジェクトマネージャ試験
4.ネットワークスペシャリスト試験
5.データベーススペシャリスト試験
6.エンベデッドシステムスペシャリスト試験
7.ITサービスマネージャ試験
8.システム監査技術者試験
平成14年度以前に技術士試験に合格している人
こちらの事例はちょっと珍しいケースですが、ご紹介します。
平成15年度から技術士試験の制度が変わったのですが、それ以前(平成14年度以前)に受験した場合は二次試験のみ合格して一次試験は合格していないという現象が起こり得ます。
そのような人については、すでに合格した部門と同一部門で一次試験を受験する場合は「基礎科目」と「専門科目」、すでに合格した部門と異なる部門で一次試験を受験する場合は「基礎科目」を免除されます。
まとめ
本記事では技術士一次試験を免除される条件について解説しました。
JABEEに認定された大学を卒業した人は一次試験を全部免除され、そのまま二次試験を受験することができます。
中小企業診断士や情報処理技術者を取得している人は一次試験の一部を免除されます。
効率よく技術士になるために、利用できる免除制度は利用していくようにしましょう。
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