「技術士試験に受からない」という結果に直面することは、誰にとってもつらく厳しいものです。
技術士試験は難関として知られ多くの受験生がその壁に立ち向かっていますが、その道のりは容易ではありません。
一度の失敗から立ち直り再び挑戦することは勇気と決意を要しますが、その過程で多くの受験生が共通して直面する失敗パターンが存在します。
そこで本記事では、技術士試験における失敗パターンを徹底的に分析し、なぜ受からないのかを理解するとともに、克服策を見つけるためのヒントを提供します。
技術士試験に合格するためにも、受からない理由を把握しておきましょう。
受からない理由①対策不足
シンプルに試験対策が不十分だという理由です。
こちらはイメージがわきやすいと思いますが、ひとくちに対策不足といってもいくつかパターンがありますのでそれぞれ解説していきます。
学習計画が適切でない
技術士試験は幅広い分野の知識が求められるため、十分な時間をかけて学習計画を立てることが重要です。
特に二次試験では、科学技術に関する専門知識がある前提で、更に分かりやすく論文を書くという技術も求められます。
計画を立てずに散漫に勉強してしまい、試験本番までに十分対策出来なかったというケースです。
過度な自己評価
過去の経験や実務経験によって自分は十分に知識があると高く評価しすぎると、実際には不足している部分が見落とされる可能性があります。
特に、技術士二次試験では受験資格として長い実務経験が求められ、受験生はそれなりにキャリアを積んできた人となります。
それゆえに陥りやすい盲点という感じですね。
試験対策には客観的な自己評価が必要です。
参考書の選定ミス
過去問や試験対策の参考書を使わずに一般的な参考書だけを利用して勉強すると、試験に出題される内容と乖離してしまうことがあります。
試験対策に特化した教材を活用することが重要です。
特に一次試験用の参考書は良いものがたくさん出版されているので、ぜひ活用してください
過去問を暗記しただけ
過去問題を解くことは重要ですが、単に解答を覚えるだけで理解を深めないと応用問題に対応できない場合があります。
一次試験なら過去問からそのまま出題されるケースも比較的多いのでまだなんとかなりますが、二次試験は過去問を暗記するだけではまず合格できません。
解答の背景や理論を理解することが必要です。
実務経験だけに頼る
「自分は十分な専門知識を持っている」という自負があるひとが陥るパターンです。
技術士試験は幅広い専門知識が求められますので、実務経験だけではカバーできないことも多くあります。
試験範囲に関連する専門知識や基礎的な内容を勉強しておかないと、試験に合格するのが難しくなります。
学習内容が偏っている
ある特定の分野に特化しすぎて他の分野を疎かにすると、試験全体のバランスが崩れて合格が難しくなります。
例えば一次試験では「基礎科目」「適正科目」「専門科目」いずれの科目でも合格点を取る必要がありますし、二次試験でも必須問題や選択問題などバランスよく得点する必要があります。
広範な知識を網羅するように努める必要があります。
本番を想定した練習をしない
こちらは特に二次試験で多いパターンです。
二次試験の筆記試験では手書きで論文を書く必要があります。
そのため、自分の文字を書くスピードはきちんと把握しておく必要があります。
本番を想定した練習をしないまま試験に臨むと、本番での時間配分に失敗してしまう可能性があります。
本番さながらの環境を想定することが重要です。
受からない理由②過度の緊張
技術士試験は年1回の試験です。
また、難易度の高い試験であるということもあり、試験本番では高い緊張感をもって望む受験生は少なくありません。
緊張感をもって臨むこと自体は良いことですが、人によっては緊張しすぎて本来の実力を発揮できないこともあります。
以下は過度の緊張が引き起こす影響とその対策についての例です。
集中力の低下
過度の緊張状態では不安や心配が頭を埋め尽くし、試験内容への集中力が低下する可能性があります。
深呼吸をする、GABA入りチョコを食べるなど、なんでも良いので自分がリラックスして集中力を発揮できる方法を探しておきましょう。
記憶力の低下
過度の緊張は記憶力にも悪影響を与える場合があります。
試験直前になっても焦らず、これまでの勉強ノートを見るなどして記憶力をサポートしましょう。
勉強ノートを見ることで「自分はこれだけやったんだから大丈夫!」とリラックスする効果も期待できますよ
時間調整力の低下
過度の緊張により、試験時間内での時間調整に悪影響を及ぼすことがあります。
想定よりも構成に時間を掛けてしまい、結局最後まで論文を書ききれなかったというパターンなどはあるあるです。
試験本番の1ヶ月前には試験本番を想定した練習を実施して、自分がどのくらいの時間配分で論文が書けるのかを把握することで試験当日に備えると良いでしょう。
受からない理由③試験当日に受験しない
そもそも試験当日に受験しなければ絶対に合格することはできません。
体調不良などのやむを得ない事情でなければ、とりあえず受験をすることはしましょう。
風邪などの体調不良
こちらはしょうがないですね。
風邪をひかない対策はしておくべきですが、なってしまったものは仕方がありません。
ゆっくり休んで体調を元に戻し、また来年度に再チャレンジしましょう。
電車などの交通機関の遅延
こちらもある程度はしょうがない部分があるのですが、試験会場近くに前泊しておくことで対策は可能です。
特に、二次試験の口頭試験などの場合には絶対に前泊しておきましょう。
せっかく難易度の高い二次試験の筆記試験に合格したのに、電車が動かなくて試験に間に合わなかったなんてなったら泣くに泣けません。
「口頭試験は朝イチじゃないし、余裕で間に合うっしょ」などと余裕に構えていてはいけませんよ。
願書は出したけど諦めた
意外と結構いるのですが、「願書は出したけど試験対策も十分じゃないし、今年は試験受けるのやめるわ」というパターンですね。
これはめちゃくちゃもったいないです。
試験対策が十分ではないにしても、試験本番の様子を味わっておくことは結構重要な経験になります。
一日中論文を書き続けることのしんどさ、昼食を食べる場所(外食)のなさなどは、試験当日に実力を発揮するためにも知っておきたい要素です。
今年合格できなかったとしても、受験経験は翌年の挑戦に向けた糧になります。
ぜひ、受験自体はしてほしいと思います。
まとめ
本記事では技術士試験に受からない理由について解説しました。
技術士試験は合格率10%程度の高難度の国家試験です。不合格になってしまうという人は普通に沢山いるでしょう。
そんな中でも合格できるのは、受からないパターンを把握してしっかり対策出来る人です。
本記事をあなたの技術士試験合格のための糧としていただければ幸いです。