- 専門科目をどう対策したらいいかわからない
- 専門科目でおすすめの参考書ってある?
技術士一次試験は「基礎科目」、「適性科目」、「専門科目」の3つの科目を受ける必要があります。
このうち、科学技術に関する基礎的な知識を問う「基礎科目」や、技術士としての適性を問う「適性科目」はネット上や参考書が多く出回っています。
これらの科目の勉強をするのは難しいことではないでしょう。
しかし、専門的な知識を問う「専門科目」については対策情報を集めることだけでも苦労します。
なぜなら、専門科目は20もの部門に分かれており、個人が全てを網羅して情報をまとめることは現実的に不可能なためです。
建設部門や機械部門などの人気部門なら参考書も出版されていますが、あまり人気のない部門の場合は参考書が出版されていないこともあります。
特に人気のない部門を受験しようとする方は「どのように対策したら良いかわからない」と思う方は多いと思います。
そこで、本記事では専門科目の勉強方法について解説します。
本記事で解説する手順をもとにして勉強すれば、参考書が少ない部門に受験する場合でも合格率を高めることができるはずですよ。
技術士一次試験全般の対策方法についてはこちら
⇒技術士一次試験の概要と試験対策【技術士の道しるべ】
参考書がある部門の勉強方法
まずは参考書がある部門の勉強方法について解説します。
技術士一次試験用としておすすめできる参考書がある部門は以下の通りです。
こうしてみると、参考書がある部門って意外と少ないんですよね
なお、一次試験用のおすすめ参考書はこちらの記事でくわしく解説しています。
⇒【独学向け】技術士一次対策おすすめ参考書3選+α【技術士が選ぶ】
参考書があるなら参考書を解く
参考書が発行されている部門を受験する方は簡単です。
運よく参考書が発行されていることに感謝しつつ、シンプルに参考書を使って勉強を進めていきましょう。
各部門でおすすめできる参考書をリストアップしておきました。
私自身の知識でカバーできない部門については口コミや評価からおすすめ出来るかを判断しています。
参考書は高くても数千円程度です。勉強の効率を高める為なら高くない出費と言えるでしょう。
効率的に一次試験に合格して難関である二次試験に時間を使うためにも、参考書を使うことをおすすめします。
機械部門
電気電子部門
金属部門
建設部門
上下水道部門
情報工学部門
環境部門
仕上げに本番を想定して公式の過去問を解く
参考書をひと通り終えたら、仕上げとして実際に直近数年分の過去問を解いてみましょう。
⇒日本技術士会 第一次試験 過去問
本番を想定して、以下のように過去問を解いてみるのがおすすめです。
- 本番と同じ制限時間(2時間)で解く
- 本番と同じようにマークシート用紙を使う
※マークシートはsukiyaki塾さんのサイトで公開されています
参考書がない部門の勉強方法
次に参考書が発行されていない部門の勉強方法を解説します。
技術士一次試験用の参考書が発行されていない部門は以下のとおりです。
- 船舶・海洋部門
- 航空・宇宙部門
- 化学部門
- 繊維部門
- 資源工学部門
- 衛生工学部門
- 農業部門
- 森林部門
- 水産部門
- 経営工学部門
- 応用理学部門
- 生物工学
- 原子力・放射線部門
半分以上の部門は技術士一次試験用の参考書がありません
まずは過去問を解いて正答率を把握しよう
参考書がない部門でも技術士会のホームページで過去問と回答自体は公開されています。
解説は一切ないので知識を身につけるということはできませんが、まずは過去問を解いてみることからはじめてみましょう。
⇒日本技術士会 第一次試験 過去問
過去問を解いたら答え合わせをおこない、自分がどれくらいの正答率なのかを把握するようにしましょう。
- 正答率80%以上
安全圏です。
このまま何年分か過去問を解いてみて、それでも80%程度の正答率なら問題はないでしょう。 - 正答率50~70%
合格できるかの境目です。
このままでも合格出来ると思いますが、さらに盤石にするために過去問を何周かしておきましょう。 - 正答率40%以下
要注意です。
これから解説する方法でがっつり勉強する必要があります。
もう少しで合格出来そうなら過去問を何周か繰り返す
正答率50~70%で「もう少し頑張れば合格基準を安定して満たせそうだな」という方は
過去問を何周か繰り返すことをおすすめします。
技術士一次試験では「過去問をそのまま流用して出題する」というパターンの問題がいくつかあります。
つまり、知識としてきちんと身についていなくても過去問を何周かして問題と回答だけ覚えておけばある程度正答率が上がるのです。
真の実力ということにはなりませんが、「とりあえず一次試験に合格しておきたい」というだけなら過去問を繰り返すだけでも十分合格できるでしょう。
もちろんきちんと勉強して知識を身につけた方が望ましいです
実力が足りないなら専門書やネット情報でがっつり勉強する
正答率40%以下の場合、そもそもの知識が足りていない可能性があります。
前項で「技術士一次試験は過去問から流用して出題されるケースがある」と説明しましたが、さすがにそれだけでは合格出来ません。
まずはベースとなる基礎的な知識が必要になります。
基礎的な知識が足りないなと感じる方は専門書やネット情報を駆使してガッツリ勉強する必要があります。
これはもう仕方ないことですから、諦めて地道に勉強するしかありません
とはいえ、大学の頃の教科書を全部引っ張り出してやみくもに勉強するというのも現実的ではありません。
技術士として必要な知識にあたりをつけて効率よく勉強するのがスマートです。
それでは、技術士として必要な知識はどういうものでしょうか?
それは結局過去問に記載されている用語(ワード)ということになります。
過去問に出てくる用語を調べよう!
それでは、具体例とともに解説します。
今回は機械部門(令和3年度)の専門科目の過去問を使って解説します。
機械部門に必要な知識は「基礎科目-分類③解析」で必要な知識と被っている部分もあり、他部門の方でもイメージしやすいかと思います。
ということで、今回は機械部門の専門科目で具体例を挙げました。
この問題の中では「ミーゼスの条件」「断面係数」「応力拡大係数」など様々な用語が出ています。
これらの用語を専門書やネット情報でひたすら調べていくのです。
このようにして、ベースとなる基礎的な知識を身につけていきます。
このくらいの用語ならネットで検索すればサクッと出てきますよ
今度はこちらの問題も見てみましょう。
こちらも同様ですね。
設問の中で問われている用語「片持ちはり」「最大たわみ」などを調べていきます。
「はりの曲げ剛性」なども調べておくと良いですね。
このようにして基礎的な知識を身につけていきます。
大変な作業のように思いますがやっていくうちに慣れていきますので頑張ってください。
最初は大変ですがこれをやっていくうちに基礎的な知識が身についてきて、ある段階で用語を調べる作業も一気に楽になります。点と点だった知識が結びついて、色々な知識に対する理解が一気に深まる感覚を味わってほしいですね。
また、どうせ二次試験に合格するためにはこれくらいの知識は必要になるので、今のうちにがっつり勉強しておくのも二次試験合格を見据えると悪くないことです。
まとめ
本記事では、技術士一次試験の専門科目の勉強方法について解説しました。
- 参考書がある部門なら、参考書を使って過去問を解いていく。
- 参考書がない部門は、技術士会サイトの公式の過去問を解く。
更に過去問に出てくる用語について調べていく。
技術士一次試験に合格できるよう応援しています!
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