衛生管理者試験 労働衛生(有害業務)対策まとめ【過去問解説付き】

衛生管理者

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衛生管理者試験で有効な勉強方法として、過去問題集を解くという方法が挙げられます。

しかし、知識がない状態で過去問題集に挑戦してもなかなか頭に入ってこないのではないでしょうか。

そこで、本記事では「労働衛生(有害業務に係るもの)」を解くために最低限必要な知識をわかりやすく解説しました。

本記事を読んでから過去問を繰り返し解くことで、合格基準である正答率60%を超えることが出来るはずです。

本記事では無駄に多くを解説せず、必要な分だけ知識をまとめています。
比較的読みやすいボリュームにでまとめましたので、読んでみてくださいね。

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化学物質等による危険性又は有害性等の調査等に関する指針

「化学物質等による危険性又は有害性等の調査等に関する指針」に関する問題は毎年出題されています。
この項目は必ずチェックしておきましょう。

A太郎
A太郎

人によっては「リスクアセスメント」の方が聞きなじみがあるかもしれませんね。

「化学物質等による危険性又は有害性等の調査等に関する指針」とは

「化学物質等による危険性又は有害性等の調査等に関する指針」とは、厚生労働省が労働安全衛生法に基づいて公開している指針です。

事業者が労働者の危険や健康障害を防止するための必要な措置を適切に実施できるよう、基本的な考え方や実施事項について定めたものです。

衛生管理者試験では、この指針をしっかり理解できているか?という観点の問題が出されます。

⇒「化学物質等による危険性又は有害性等の調査等に関する指針」の原文はこちら

A太郎
A太郎

詳細な内容は原文を見ていただくとして、本記事では出題頻度の高い項目について解説します。

化学物質等による危険性又は有害性等の調査

化学物質等により発生する負傷又は疾病の重篤度とその発生の可能性の度合(リスク)を見積ることが、指針によって定められています。

このリスクを見積もることをリスクアセスメントと言います。

リスクアセスメントの流れ

手順1:化学物質等による危険性又は有害性の特定

手順2:特定された危険性又は有害性によるリスクの見積り

手順3:見積りに基づくリスクを低減するための優先度の設定、リスクを低減するための措置内容の検討

手順4:優先度に対応したリスク低減措置の実施

リスク低減措置の優先順位

A太郎
A太郎

手順4で「優先度に対応したリスク低減措置の実施」がありますが、これに関する問題がよく出題されます。しっかり理解しておきましょう。

リスク低減措置は法令に定められた事項がある場合には必ず実施するとともに、次に掲げる優先順位でリスク低減措置内容を検討し実施します。

優先順位実施内容
必ず実施する法令に定められた事項の実施
優先順位①(高い)危険性又は有害性の高い化学物質等の使用の中止、代替化
優先順位②化学反応のプロセス等の運転条件の変更、
化学物質等の形状の変更等
優先順位③工学的対策・衛生工学的対策
(設備の防爆構造化、局所排気装置等)
優先順位④管理的対策
(マニュアルの整備、立入禁止措置、ばく露管理等)
優先順位⑤(低い)個人用保護具の使用
リスク低減措置の検討及び実施の優先順位

なお、「優先順位⑤(低い)」と記載しましたが、「優先順位が低いからやらない方が良い、やる必要ない」というものではありません。

優先順位が低いだけで実施した方が良いのは間違いありません。

過去問の解説

化学物質等による疾病のリスクの低減措置について、法令に定められた措置以外の措置
を検討する場合、優先度の最も高いものは次のうちどれか。
(1)化学物質等に係る機械設備等の密閉化
(2)化学物質等に係る機械設備等への局所排気装置の設置
(3)作業手順の改善
(4)化学物質等の有害性に応じた有効な保護具の使用
(5)化学反応のプロセス等の運転条件の変更

衛生管理者試験 令和5年4月

それぞれの措置が優先順位いくつに該当するのかを、表を見て確認していきましょう。

(1)(2)は「優先順位③ 工学的対策・衛生工学的対策(設備の防爆構造化、局所排気装置等)」に該当します。

(3)は「優先順位④ 管理的対策(マニュアルの整備、立入禁止措置、ばく露管理等)」に該当します。

(4)は「優先順位⑤ 個人用保護具の使用」

(5)は「優先順位② 化学反応のプロセス等の運転条件の変更」に該当します。

よって、最も優先順位が高いのは(5)となります。

化学物質の性質

化学物質の性質に関する問題も良く出題されます。
ひねりもなく過去問をそのままの形で出題してきますので、サービス問題といえるでしょう。

この項目についてはシンプルに暗記してしまった方が早いです。
サクッと覚えてしまいましょう。

過去問の解説

次の化学物質のうち、常温・常圧(25℃、1気圧)の空気中で蒸気として存在するものはどれか。ただし、蒸気とは、常温・常圧で液体又は固体の物質が蒸気圧に応じて揮発又は昇華して気体となっているものをいうものとする。
(1)塩化ビニル
(2)ジクロロベンジジン
(3)アクリロニトリル
(4)エチレンオキシド
(5)二酸化マンガン

衛生管理者試験 令和5年4月

次の化学物質のうち、常温・常圧(25℃、1気圧)の空気中で蒸気として存在するものはどれか。 ただし、蒸気とは、常温・常圧で液体又は固体の物質が蒸気圧に応じて揮発又は昇華して気体となっているものをいうものとする。
(1)塩化ビニル
(2)ジクロロベンジジン
(3)アクリロニトリル
(4)硫化水素
(5)アンモニア

衛生管理者試験 令和4年10月

選択肢が若干異なるだけで、問題文と答えは使いまわしです。

(1)塩化ビニルはガスとして存在します。紛らわしいですが、蒸気ではありません。

(2)ジクロロベンジジンは粉じんとして存在します。

(3)アクリロニトリルは蒸気として存在します。

(4)エチレンオキシドはガスとして存在します。紛らわしいですが、蒸気ではありません。

(5)二酸化マンガンは粉じんとして存在します。

(4)硫化水素はガスとして存在します。紛らわしいですが、蒸気ではありません。

(5)アンモニアはガスとして存在します。紛らわしいですが、蒸気ではありません。

よって、答えはいずれも(3)アクリロニトリルです。

まとめ

「衛生管理者試験:労働衛生(有害業務に係るもの)」について、知っておくべき基礎的な知識を解説しました。

この記事で基礎的な知識を確認しておき、さらに過去問を解くことで合格基準を満たせる実力がつくはずです。

繰り返し過去問を解いて、ぜひ衛生管理者試験に合格してください。

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